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日本政府の横田めぐみさん遺骨「偽物」鑑定 南朝鮮の専門家 一様に「当初から疑問視」

 南朝鮮の連合ニュースは11日、日本政府が「他人の物」だと発表した横田めぐみさんの遺骨鑑定結果に対して、南朝鮮の法医学専門家たちがその発表当初から日本の遺骨鑑定を疑問視していたという記事を配信した。同ニュースは、英国の科学専門雑誌「ネイチャー」英文ホームページ(www.nature.com)2月3日付の記事をきっかけにして、横田めぐみさんの遺骨鑑定をめぐる日本政府発表の信頼性についてさかんに論議されている、と次のように指摘した。

DNA抽出は不可能、異物によって汚染

 「ネイチャー」誌は、遺骨を鑑定した帝京大学の研究チームのある関係者(吉井富夫、同大講師)の話を引用し、「分析結果は断定的なものではなく、また、遺骨のサンプルが(異物に)汚染されていた可能性がある」ことを認めたと報じた。

 彼は、「遺骨は何でも吸い取る固いスポンジのようなものだ。事前にいくら徹底的に準備したとしても、研究チームが試料を扱う過程で誰かの汗や皮脂が染み込んでいたら、それらを取り出すことは不可能だ」と話した。

 このような問題点は去る1月23日、北が備忘録を通じて日本政府の遺骨分析結果について1つ1つ反論した直後から、すでに遺伝子鑑定の見識ある法医学専門家たちであるソウル大学のリ・ジョンビン医大教授、国立科学捜査研究所のパク・キウォン遺伝子研究室長、大検察庁のリ・スンファン遺伝子分析室長の3氏から指摘されていた。

 3氏は、日本政府が発表した遺骨鑑定結果について一様に、▼1200度の高温で火葬された遺骨からDNAを抽出することは事実上不可能▼仮にDNAが検出されたとしても、分析過程で外部の異物によって汚染された結果だろう、との所見を明らかにしていた。

信頼性認定にはきわめて「否定的」

 リ教授は、南朝鮮の遺伝子鑑定がまだ初期の段階に止まっていた1994年の「至尊派事件」の際、焼却された遺体の骨からDNAを抽出、死亡者の身元確認に成功し、それ以降この分野の最高権威として認められている。

 リ教授は、北の備忘録を検討した後、「北側の主張にも一理がある」と指摘しながら、「火葬で粉となった遺骨のDNA鑑定を何度も試みたことがあるが、1件も成功しなかった」と語った。

 パク室長は、帝京大が遺骨からDNAを抽出する時に使用したミトコンドリアDNA分析法が持つ根本的な問題点について指摘。「ミトコンドリアDNAを使って分析をするところは多くない。きわめて敏感な実験なので、同じサンプルをもってしても方法によって結果が変わりうる」と盲点を上げた。

 2002年、大邱で発生した地下鉄火災事件の際、焼けた遺骨の身元確認作業にあたったリ室長も、「高温で完全に白骨化した骨からDNAを抽出、分析に成功したという論文は今まで見たことがない」と、日本政府の遺骨鑑定結果に懐疑的な反応を見せる。

 そして、「大邱地下鉄惨事の時も、完全に焼けてしまった犠牲者の骨からDNAを抽出することは出来なかった」と語った。だから、当時事故現場で発見された死体6体については、いまだに身元が不明のままだという。

 リ室長は11日、帝京大の研究チームが使用したと報道された遺伝子分析技法(nested PCR)について、「この方法は、遺伝子を2回以上増幅させ分析をするもので、増幅過程が繰り返されるたびに正確度が下がるという短所がある」と指摘し、「したがって法医学専門家らは、この方法による分析結果の信頼性を認定することに極めて保守的(否定的)な立場をとっている」と話した。

浅い日本の経験、問題点言及しないマスコミ

 南朝鮮は、大邱地下鉄火災事件のような大事故を通じて、焼けた遺骨の鑑定に対する豊富なノウハウを蓄積してきた反面、日本のその経験についてはごく浅いことが知られている。「ネイチャー」誌もこの点について、「日本の法医学専門家は、火葬された遺骨の分析経験がほとんどない」と指摘している。

 日本のマスコミは、昨年12月初、横田めぐみさんの遺骨が「偽物」であるという日本政府の慎重さを欠いた発表をそのまま大々的に報じ、「日本法医学の成果を高めた快挙」だと自画自賛する報道に終始したが、鑑定結果に対する問題点についてはまったく言及していない。

[朝鮮新報 2005.3.17]