19日に神戸で「治安維持法」日弁連勧告に関するシンポ |
朝鮮人、日本人より検挙率高く 「治安維持法」違反で有罪判決を受けた徐元洙さん(80、兵庫県伊丹市在住)に対する謝罪と補償を日本政府に求めた日本弁護士連合会の勧告(2月2日)に関するシンポジウムが19日、神戸市の兵庫勤労市民センターで行われる。 「治安維持法」は、日本が天皇制や私有財産制を否定する運動の取締りを目的に、1925年4月に公布(同5月施行)した法律。とくに戦争中は取締りを強化し、不当検挙や重い刑罰で思想や言論の自由を奪うなど「国民」を監視した。拷問による死者も出た。 植民地支配下の朝鮮でも施行され、日本の侵略戦争に反対し朝鮮の独立を唱えた多くの朝鮮人が不当に検挙され、取調べを受けた。取調べでは拷問や虐待が行われ、日本人と比べても相当ひどいものだったという。 朝鮮人強制連行真相調査団の調べによると、32年から43年の日本国内における在日朝鮮人の年間検挙率は、日本人の4倍から53倍(表参照)。しかも、これまで適用第1号は「京都学連事件」(25年12月1日、日本人大学生ら33人を検挙)と思われていたが、実は朝鮮半島在住の朝鮮人だったことも明らかにされている(25年9月12日にはすでに判決が出ていたことが判明)。
徐元洙さんは44年8月、朝鮮人差別の実情と朝鮮独立の必要性を訴えたことを口実に約半年間、神戸刑務所などに拘束され、45年2月に神戸地裁で懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を受けた。日弁連の勧告書は「国はこの人権侵害行為を謝罪し、肉体的、精神的被害の回復のため補償を含めた適切な措置を講じるべきである」としている。 同法は後に廃止されたが、49年4月には「団体等規制令」(団規令)が制定され、同9月に適用第1号として朝聯が解散させられた。 52年のサンフランシスコ平和条約締結後、日本は内外の猛反発を押し切って、「団規令」に代わるものとして「破壊活動防止法」(破防法)を制定(52年7月)。これをもとに公安調査庁などは、今も総聯と在日同胞を常に監視の対象としている。 2001年には、公安調査庁が99〜01年までに、破防法の調査を口実に25都道府県37市区から在日同胞約700人分の外国人登録原票の写しを入手していたことが判明。02年には、某議員が国会で総聯に破防法を適用し、解散まで持っていくべきだと質問。これを受け栃木庄太郎・公安調査庁次長(当時)は「破防法の適用も考えつつ調査をしている」と答えている。 [朝鮮新報 2005.3.15] |