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2005日朝教育交流のつどい 「交流の場、さらに大きく」

 今年ではや31回目を迎えた「2005日朝教育交流のつどい」が11日、東京都板橋区の東京朝鮮第3初級学校で行われ、日本学校、東京都内の朝鮮学校教員ら約150人が参加した。「互いに知り合うことから始めよう」を合言葉に始まった集いも、今ではしっかり東京の地に根付いたものとなっている。

「授業態度がまじめ」

朝鮮文化体験の時間にプクを練習する参加者

 この日のつどいは、午前中に授業参観と校内見学、朝鮮文化体験、朝鮮学校をめぐる諸問題をテーマにした意見交換会などが行われた。

 初級部1年生の国語、2・3年生の算数、4・5年生の日本語、6年生の国語の授業が公開された。初級部1年生の授業では、聞き取りから始まり、単語カードを読んだり、ビデオ教材を見るなどして視覚を通した働きかけを行った。また、ピアノに合わせて歌いながら字を覚えることや、歌やゲームなどの反復練習を通じて新しい子音を覚えていくようにする、聴覚を通した働きかけも行っていた。

 4年生の日本語授業は手紙の書き方。教員の簡単な説明のあと、「10年後の私(僕)へ」手紙を書くのだが、生徒たちは真剣そのもの。日本語の授業はすべて日本語で行われていた。

 初めて朝鮮学校を訪れたという尾曲陽子さん(52、小学校教諭)は、「日本の子どもたちと比べても、授業を受ける態度がまじめでふざけたところがない。水準も高いと感じた」と感想を語った。

朝鮮語教室も開講

授業を参観する日本人教員

 朝鮮文化体験では、チャンゴ、プク(太鼓)、朝鮮語教室の中から好きなコーナーを選び、楽しんだ。初めて、チャンゴやプクに触れたにもかかわらず、1時間あまりの練習後に行われた合奏では、見事な音を出していた。朝鮮語も、昨今の「韓流ブーム」も影響してか、基礎的な会話ができる人が多く、担当教員も上手さに驚いていた。

 一方、土地明け渡しをめぐって都と裁判を行っている東京朝鮮第2初級の問題や国立大学受験資格問題など、解放後60年経っても依然として残る教育権の差別問題をテーマに、朝鮮学校の現状などが朝・日の先生たちの間で話し合われた。

 大学生の杉田かおりさん(22)が集いに参加するのは2回目。「在日の子どもたちも日本の子どもたちとちっとも変わらない。4年生の授業でやっていた『将来への手紙』は、私も以前やったことがある」と話していた。

 午後に行われた全体会では、実行委員会を代表して東京第1の呉伯根校長があいさつし、「今後もすばらしい交流の輪が広がることを願う」と語った。また、今回会場となった東京第3の高完植校長が歓迎のあいさつを述べた。

 最後に、「日本の学校と朝鮮学校の交流の輪を、大きく広げていくことを誓い合う」日朝教育交流推進に向けてのアピールを採択して終了した。同アピールでは、都に東京第2の土地明け渡し提訴を取り下げ、払い下げ交渉の再開を行うよう促している。(文聖姫記者)

[朝鮮新報 2005.2.19]