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05年 金正日総書記の活動、報道回数 これまでの最多、党創建60周年目指し経済分野に比重

 朝鮮解放(8月15日)と朝鮮労働党創建(10月10日)60周年を迎えた今年、金正日総書記は精力的に活動した。朝鮮中央通信が報道した公式活動回数は110回(祝電、弔電、花輪などは除く)。これは昨年の84回に比べてもはるかに多く、1980年に公に登場してから最多だ。今年の総書記の活動を整理した。



朝鮮労働党創建60周年記念閲兵式で答礼する金正日総書記(10月10日) [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 先軍政治を進める朝鮮。金正日総書記の活動も軍関係が65回と全体の約6割を占めた。軍関係の中には軍部隊訪問、軍合唱団などの公演鑑賞、軍関連経済施設訪問などが含まれる。

 月別では11月の15回が最も多く、4月の10回、5月の9回と続く。2月は0回で3月は公演観覧のみだ。2月10日に朝鮮外務省が核保有を宣言し、朝鮮半島を取り巻く情勢が緊張した時期である2、3月に軍関連の指導がほとんど伝えられなかった。

 また、10月に党創建60周年関連で外交日程が目白押しだったことを反映してか、11月には軍部隊への訪問が連日のように伝えられた。

 年間の軍部隊訪問数は49回(12月23日現在)。

経済

 新年の共同社説は経済建設で農業を「主攻戦線」にすえることを宣言。党創建60周年を「大祝典」として輝かせるため、食糧問題をはじめとする経済問題解決に力が注がれた。そうした国内情勢を反映するかのように、総書記の活動も経済分野に多くの比重が占められた。

 経済関連への指導は18回。これに軍関連の経済施設6回を加えると24回に上る。昨年の8回に比べて実に3倍だ。

 総書記は今年の活動開始を経済分野から始めた。平安北道の3つの連合企業所を現地指導。このうち北中機械連合企業所、楽元機械連合企業所には12月にも訪れている。そのほかでは、咸鏡南道内の肥料関連工場、平壌市内の電線、エレベーター工場を視察。元山の発電所建設現場、製塩所も現地指導した。

 また、中国の全面的支援で建てられた大安親善ガラス工場を操業前に訪れ、中国企業との合弁で稼動中の平壌自転車合弁工場を現地指導するなど、朝中経済協力の現場にも足を運んだ。

外交

新指導体制発足後、初めてとなった胡錦涛中国国家主席の訪朝 [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 外交では中国との友好親善ぶりが目立った。

 10月に胡錦涛国家主席が新指導体制発足後、初めて朝鮮を公式親善訪問。総書記は平壌空港に出向き歓、送迎。歓迎宴では自ら演説し、大マスゲーム・芸術公演「アリラン」鑑賞にも同行するなどたいへんな歓待ぶりだった。経済技術協力に関する協定をはじめ各協定が結ばれた。

 中国からは中国共産党中央委員会の王家瑞対外連絡部長(2月)、胡主席の特別代表である唐家璇国務委員(7月)、呉儀副総理(10月)などの要人訪問が相次いだが、いずれも総書記が会見。とくに王部長、唐国務委員の訪朝は6者会談開催と密接にからんでいただけに、内外の注目を集めた。

月別活動回数

1月 6回
2月 4回
3月 2回
4月 14回
5月 10回
6月 3回
7月 11回
8月 6回
9月 12回
10月 14回
11月 15回
12月 13回
110回

※12月23日現在、朝鮮中央通信報道より

 ロシア極東連邦管区のプリコフスキー大統領全権代表が2回にわたって訪問し、2回とも総書記が会見。またロシアの舞踊団、芸術団の訪朝が相次ぎ、総書記はそのつど鑑賞した。

 インドネシア闘争民主党総委員長のメガワティ元大統領が4月と10月の二度訪問。10月の時には総書記が会見した。

北南

 北南関係では、6.15民族統一大祝典に南側当局者代表団団長として参加した鄭東泳・統一部長官との「6.17面談」が実現。金正日総書記は盧大統領の特使として鄭長官と会見し、昼食を含めると5時間近く面談した。昼食には朴在圭元統一部長官や故文益煥牧師夫人の朴容吉氏ら北南首脳会談縁故者も同席し、和気あいあいとした雰囲気に包まれた。

 1年あまりにわたってこう着状態にあった北南関係はその後進展。「第2の6.15時代」と呼ばれる状況が生まれた。

 7月には元山で現代グループの玄貞恩会長、現代峨山の金潤圭副会長と会見している。(文聖姫記者)

[朝鮮新報 2005.12.27]