そこが知りたいQ&A−第17回北南閣僚級会談 何が決まったの? |
対決時代の観念脱却で共通認識 政治、軍事、経済「3つの障壁」除去意思示す 今年最後となる第17回北南閣僚級会談が13〜16日に済州道で開かれた。難産のすえの共同報道文発表だったが、何とか合意文作成にこぎつけた。今回の会談では何が決まったのか。Q&Aで見た。 Q 第3回(2000年9月)以来、2度目の済州道開催となったが、今回の合意で重要な点は何か。 A 共同報道文1項目だろう。民族的和解と団合を阻害する対決時代の古い観念から脱却し、互いの思想と体制を認め尊重する共通の認識を持つことで合意したからだ。今回の会談で北側団長の権浩雄・内閣責任参事は基調発言で、政治、軍事、経済の「3つの障壁」を除去するよう求めた。@体制対決の最後の障壁を崩す措置A米韓合同軍事演習の中止B政経分離の原則に立った経済協力事業の発展−がその具体的内容だ。 とくに@に関しては、▼相手側地域を訪問する自己側の人員、参観地、対象をいっさい制限しない▼相手側を尊重する正当な意思表示や行為にブレーキをかけない▼相手の体制と象徴に対する非難や攻撃行為がいっさい発生しないようにする−措置を取るべきだと主張した。 第16回会談で北側は「国家保安法」のような相手の存在を否定する法、制度を撤廃するよう求めた。これは「体面主義を捨てる」象徴的な行動を意味する。北側当局者が国立顕忠院を訪れるなど「体面主義」からの脱却を実践しているのに、何ら対応を示さない南側に対する不満は当然あっただろう。だからこそ今回の合意で最も重要な部分は1項目だといえる。これが「3つの障壁」を除去する双方の意志を示したものといえるからだ。 Q 6者会談が再びこう着状態に陥っているが、核問題と関連しては。 A 第4回6者会談第2ラウンドで採択された共同声明の速やかな履行の必要性を確認した。ただ、北側は金融制裁問題を話し合うための朝米会談が実現しなければ6者会談再開は不可能だとしている。今回の会談には6者会談団長の宋旻淳・外交通商部次官補も南側のオブザーバーとして参加したが、現状では北南間で解決できる問題ではない。 Q 軍事当局者会談が新年に入って速やかに開催されるよう、双方の軍事当局に意見を上げることで合意したが。 A 実はこの問題は南側が強く求めたものだ。今回合意文発表が一日近くずれ込んだのも、この問題と北側が求めた参観地、対象の制限撤回問題が衝突したからだと言われている(南の報道)。ただ、第15回会談でも白頭山での軍事当局者会談開催は決まっていた。16回会談でも開催の必要性について再確認した。鄭東泳・統一部長官との「6.17面談」でも金正日総書記自ら、会談再開の意義を語っているだけに、北側が会談自体を拒否しているわけではない。 Q 経済、人道問題では何が決まったのか。 A 経済問題では「北南間の経済協力は民族内部の協力事業」であると確認したことが大きい。「3つの障壁」の内の経済障壁除去にあたるからだ。北側は今回の会談で、北南協力事業の際にはワッセナー条約などの協定に従わないよう求めていた。「民族内部」という言葉には、そういう外的障壁を除去していく意味が込められている。 人道問題では具体的な日程が決まった。2月中には赤十字会談を開き、相互が関心のある人道主義問題を協議し解決していくことで合意した。南側は「国軍捕虜」問題を議題として提示するものと予想されるが、北側はこの問題は存在しないとの立場を表明したことがある。一方、北側にとっては、最近、南にある非転向長期囚の墓碑銘が破壊された事件などがある。南に残る長期囚たちの送還も人道問題のひとつだ。 4回目となる離散家族、親せきの画像面会も2月末に予定されており、今後定例化しそうだ。北南双方とも家族たちは高齢化しており、画像面会の定例化によって少しはこの問題の解消に寄与するものと思われる。(文聖姫記者) 第17回会談で決まった日程
[朝鮮新報 2005.12.20] |