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〈論調〉 軽水炉「返済」要求は転倒した論理

 最近、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)は米国の脚本に従って朝鮮の軽水炉建設を完全に中断することを決定した。ところが、これを受けて安倍官房長官は「KEDOの金銭的損失は北朝鮮に返済を求める」と公言した。一体、誰が誰に軽水炉建設中止による損失に対する補償を求めるべきなのか。

 軽水炉建設中止による損失に対して補償を求めるべき側はまさにわが国だ。

 1994年に採択された朝米基本合意文に従ってわれわれが核施設を凍結する代わりに、米国はわれわれに軽水炉2基を2003年までに建設し、建設が終わるまで毎年50万トンの重油を提供することになっていた。また、米国はわが国を核で威嚇しないということを保証した。

 しかし、米国は朝米基本合意文に指摘されている軽水炉完工の期日まで、一つとしてもまともに履行しなかった。この期間に米国がしたことは、朝鮮を核兵器で圧殺するための騒動にいっそう狂奔したことだ。

 米国は、朝米基本合意文を完全に破棄し、軽水炉建設を中断してわれわれに莫大な政治的、経済的損失を与えた。

 こうした実状にもかかわらず、米国がわれわれに及ぼした損失に対して補償するよう求める代わりに、損害を被ったわれわれに補償することを求めるのは転倒した論理だ。日本が「返済を求める」とうんぬんするのは言語道断であり、盗人たけだけしい。

 日本が真実をわい曲してわれわれに「返済」の責任を転嫁しようとするのは、自分らの近視眼的な政治、米国のしもべになって利益を得ようとする政治下手人の体質を自らさらけ出すだけである。日本は、われわれに「損失に対する返済」を求める権利もなく、その立場にもない。(労働新聞7日付論評)

[朝鮮新報 2005.12.11]