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労働新聞 米、金融制裁解除の会談回避 6者会談の再開不可能

 「約束を破る信義のない行為」と題して労働新聞6日付に掲載された金融制裁問題に関する論評はつぎのとおり。

「譲歩」引き出すのが目的

 米国は対話の相手であるわが国との約束を破り、われわれに対する制裁と圧力をさらに強める信義のない行動を取っている。われわれに対する金融制裁解除に関連する朝米直接会談をあれこれと口実を設けて避けているのを見てもそう言える。

 これと関連してわれわれの内部では、はたして6者会談を再開できるのかという疑問が増大している。

 朝米直接会談で討議、解決することにした金融制裁解除問題は、第5回6者会談第1ラウンドの過程でわが国と米国が合意した内容である。

 ところが、米国はわれわれとの合意を覆し、6者会談の再開に難関をもたらしている。もちろん、これには米国内の強硬保守派の圧力が作用したであろうが、問題は米政権に6者会談を再開し、朝鮮半島の非核化を実現しようとする意志が甚だしく欠如しているところにある。

 そのため米国は、金融制裁解除に関連する会談ではなく、米財務省と秘密警察当局の実務者を立たせて米国の法律についての説明などをすると言っているのだ。

 米国の主張どおりに、説明などをするからといって6者会談の再開に向けた条件がもたらされるはずはないのは明白だ。それは、わが国に対する金融制裁と6者会談が別の問題ではなく、互いに切り離しがたい関係にあるからである。

 6者会談が健全な雰囲気のなかでスムーズに行われ進展を遂げるには、会談の当事者が相手を尊重し、信頼関係を図る方向で言動に慎重を期すべきである。

 ところが、米国は「拡散容疑」という途方もない問題をねつ造してわが国に挑発的な金融制裁を加えている。

 米外交当局者は先日、USAトゥデイ紙とのインタビューで、米国がわが国に対して各方向から圧力を加えていることを示唆し、金融制裁解除に関連する朝米双務会談を行う必要がないと公言した。米財務省テロ・金融情報担当次官のレビーも今後、米司法省と米財務省が追加的な措置を取ることを示唆し、そうなればさらに深刻な結果がもたらされるだろうとわれわれを威嚇した。

 諸般の事実を見ると、米国はわが国に対する金融制裁を解除する考えがなく、逆に制裁と圧力の度数をさらに強めようとしていることを示している。

 米国のこのような行為は、朝鮮の軍隊と人民の反米感情を激増させる結果を招き、6者会談の再開を不可能にしようとする意図的な行為となる。

 われわれに対する米国の金融制裁発動は、朝鮮を経済的に封鎖し、強盛大国の建設を妨げようとするものであるだけでなく、核問題においてわれわれの「譲歩」を引き出そうとする不純な政治策略である。

 米国が第5回6者会談の前夜に第4回6者会談共同声明の精神に反してわれわれの義務履行のみを主張し、さまざまな方法で圧力攻勢を強めて、あげくには金融制裁まで発動したのは6者会談を狙って核問題においてわれわれの「譲歩」を引き出すことにより、自らの一方的で不当な要求を貫徹しようとするところにその目的がある。

共同声明精神に反する行為

 わが国に反対する米国の金融制裁発動が6者会談と何の縁もないというのは、論理から見ても、外交常識から見ても、誰にも納得のいかないき弁である。

 わが国に対する米国の金融制裁は、第4回6者会談共同声明の精神に著しく反する行為である。共同声明でわれわれと米国は、相互尊重し、平和的に共存し、信頼構築と関係正常化に向けた措置を取ることで合意した。

 今は、米国が対話の相手であるわが国の自主権を尊重し、われわれの感情を傷つける行動を極力慎むべき時である。こうしてこそ、朝米間に信頼関係が築かれ、朝鮮半島の非核化に向けた活動で実質的な成果が収められる。

 米国が金融制裁解除に関連する会談を回避している状況では、6者会談の再開は絶対的に不可能だ。米国の挑戦的な制裁のなかでは6者会談が再開されないというのがわれわれの立場である。

 米国は対話姿勢を正し、共同声明の精神に合わせて対話の相手を尊重すべきであり、6者会談の進展を妨げる行動を取ってはならない。

 米国が相互尊重と平等の原則に基づいて朝米間に信頼を構築するため努力するか、さもなければ引き続き独善的かつ一方的な行動を取るかによって6者会談の展望が決定されるであろう。

 米国が真に6者会談の再開と進展を願うなら、5者の前で約束したとおりに一日も早くわが国に対する金融制裁の解除に向けた実践的な措置を取るべきであり、そうしてこそ6者会談再開の展望が開かれる。(朝鮮通信、中見出しは編集部)

[朝鮮新報 2005.12.11]