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〈月間平壌レポート〉 食料配給、今月から正常化

 【平壌発=李相英記者】朝鮮労働党創建60周年という大きな節目を迎えた10月。国を挙げての祝賀ムードのなか、平壌をはじめとする各地でさまざまな記念行事が行われた。

 一方、例年にない豊作が予想される中、今月から全国で食糧配給が正常化された。経済各部門での増産も伝えられるなど、国内経済は着実に改善の方向へ向かい始めている。

 一大政治祝典にわき返る首都のさまざまな表情を通じて見えてきたもの−それは、党の指導のもと苦難を乗り越え自信を深める朝鮮の姿だった。

「三位一体」の力

平壌靴工場で作業する女性労働者

 党創建60周年のキーワードは「先軍」。平壌で行われた一連の記念行事は、党が歩んできた60年の道程を「一心団結」と軍重視の歴史として総括しながら、これからもこの路線を変わらず堅持していく固い意思を内外に広く示すものとなった。

 記念行事のハイライトは10日午前に金日成広場で行われた閲兵式。

 党、軍隊、人民の結びつきが織りなす「三位一体」の一大スペクタクルは、党が誇る比類ない指導力と権威の源が、強力な軍隊との分かちがたい結びつきにあることを見せつけた。労働党はしばしば「母なる党」と形容される。人々の中で執権党を超えたものとして存在する労働党の性格を物語るものだと、党創建史跡館のハン・チュンフィ課長は話した。

 「『百戦百勝』だからといって、党が歩んできた道は決して平坦なものではなかった」。史跡館取材時に案内役を務めてくれたハン課長は、党の「波瀾万丈」の60年を自らの体験も織り交ぜて語ってくれた。

 「『苦難の行軍』で国中が苦しかった時でも人々が党を絶対的に支持したのは、党が人民を信じ、それに依拠する政策を一貫してとり続けたからです」

誤った解釈非難

 朝鮮労働党創建60周年を機に、国内経済活性化への動きが本格化している。

 大安親善ガラス工場や白馬−鉄山水路をはじめとする130余の重要対象の建設および現代化が完成した。また、全国1600余の工場、企業所が年間計画を期限前に完遂した。食糧問題の解決にも明るいきざしが見えている。

 今月から米などの食糧配給が正常化された。

 西側メディアが、今回の措置を食糧配給の「再開」と表現し、それが「国民の歓心を買うための一時的措置」であるかのごとくけん伝していることについて、関係者らは一様に怒りを隠さなかった。

 「朝鮮では経済状態が悪かった時、一時的に配給量が減ったり、定期的に配給できなかったりしたことはあっても、今まで一度として配給制度を廃止したこともなければ中断したこともない」

 収穫された米を国が一律に買い上げ人々に配給するという政策は、今も昔も変わりはない。

 関係者らは、「米の配給制度は社会主義の根幹」だとしながら、一部メディアの誤った解釈を非難していた。

 1990年代後半の「苦難の行軍」を乗り越えた朝鮮は、2000年代に入り、02年の「経済管理改善措置」をはじめ一連の措置を取った。

 取材に訪れた平壌靴工場や平壌蒸着工具開発会社などでは、社会主義市場が消滅し原料や資材、電力までもが不足する苦しい状況の中で、さまざまなアイディアを駆使した経営戦略のもと絶えざる技術革新と設備更新を通じて成果を上げてきた。

 工具開発会社のチョン・クァングク副社長は、「一連の改善措置の効果は着実に表れている。まだまだ足りない部分はあるが、経済はまちがいなくいい方向に向かっている」と話した。

 「つい最近も最新設備の導入を済ませたばかりだ」と語るチョン副社長の表情からは、生産現場に生まれつつある、経済発展を可能にする自信がうかがえた。

対外関係にも注目

 10月下旬に入り、平壌もめっきり冷え込んできた。

 党創建60周年一色だった国内のあわただしさが一段落した現在では、対外関係の動向に関心が集まっている。今月末から来月初めにかけて、さまざまな会談や外国要人の訪問が日程に上っている。

 28日から30日まで中国の胡錦涛国家主席が、主席就任後としては初めて平壌を訪れる。また、来月には朝・日政府間会談や第5回6者会談の開催も日程に上っている。

[朝鮮新報 2005.10.28]