そこが知りたいQ&A−第16回北南閣僚級会談 何が決まったの |
体面主義捨てる実質的措置を 「保安法」撤廃などで前進も 第16回北南閣僚級会談が13〜16日、平壌で開かれた。白頭山での開催が決まっていたが、準備が間に合わず平壌での開催となった。北京での6者会談開催と時期が重なったことでも注目された会談。16日に共同報道文(別項)を発表して日程を終えた。何が決まったのか。Q&Aで見た。 Q 会談では6項目からなる共同報道文が発表されたそうだが、今回はどんなことが決まったのか。 A まず1項目目で、いっさいの体面主義を捨て和解と団合を実質的に図るための措置をとることが明記された。これは「国家保安法」廃止と米韓軍事演習の中止問題を指すものだ。 北側の権浩雄団長(内閣責任参事)は会談初日の基調発言で、北南関係を改善し統一を促進するための3つの「実践的方案」を示した。その第一点目で、いっさいの体面主義を捨てるための重大措置をとるべきだと提案した。 その中で権団長は、8.15ソウル民族大祝典に参加した北側代表団が「国立顕忠院」を訪れたのは問題解決のための意志を示したものだとして、「南側も古い観念から抜け出すとともに『保安法』のような相手方の存在を否定する法、制度的装置を撤廃する勇断を下すべきだ」と語った。北のいう体面主義とは、相手を否定して敵視し、思想と理念の差を絶対化するものだ。 南にとって体面主義を捨てる象徴的な行動は、北を敵視することでしか存在意義を持たない「国家保安法」を撤廃することだといえる。 Q 米韓合同軍事演習中止はなぜ求めるのか。 A これも古い観念と慣行の範ちゅうに入る。「冷戦時代に展開されていた外勢との合同軍事演習が、わが民族同士手をつないで統一を志向する時代に続いていることは許されない」(権団長)というわけだ。 前回会談の共同報道文前文では、「『わが民族同士』の理念に従う」ことが明記されたが、この精神に沿うなら、外勢との軍事演習自体が理に合わない。 Q そのほかで目につくのは何か。 A 軍事当局者会談開催について再び明記したことだろう。前回の報道文で開催が決まり、実務会談までは開かれたものの、当局者会談自体はまだ開かれていない。日程こそ決まらなかったが、北南ともにその必要性は十分認識していることを示した。 経済協力部門では、保健医療での協力が初めて明記された。この部門に関しては別途経済協力委員会で話しあうことになる。 Q 離散家族、親せきの再会問題では何が決まったのか。 A 11月に12回目の再会事業が行われる。8.15を機に初めて実現した「画像面会」も年内に2回予定されている。 また、朝鮮戦争の時期に行方のわからなくなった人々の生死確認については、赤十字会談で引き続き協議することになった。これは、南側が強く求めている「国軍捕虜」の問題などを指すものと思われる。 Q 今回の会談は北京の6者会談と同時期に行われていることで注目されたが。 A 偶然だが時期が重なった。南側首席代表の鄭東泳・統一部長官は平壌に経つ前日の12日、6者会談米国団長のヒル国務次官補とソウルで会談した。15日に自ら明らかにしたところによると、鄭長官はヒル次官補のメッセージを北側に伝えた。その内容は、今回の6者会談で実質的な進捗を希望していること、合意のために努力すること、朝米関係正常化への意志が明らかなこと―などだ。北側は真摯に受け止め、上層部に報告すると答えたという。鄭長官はまた、日朝政府間交渉を早期に再開しようとの小泉首相のメッセージも伝えた。 Q 次回はいつ開かれるのか。 A 3カ月後の12月13日から16日までで、場所は済州島。2000年9月の会談に続き同地での開催は2度目となる。(文聖姫記者) [朝鮮新報 2005.9.20] |