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「韓日会談」文書公開 北の3団体、談話で指摘 当時の南当局、日本を批判

 1951年から65年までの「韓日会談」全過程の文書が8月26日に南で公開されたのを受け、過去清算問題に携わる3団体が相次いで談話を発表し、労働新聞も論評を掲載するなど、朝鮮側は並々ならぬ関心を示している。談話や論評は、会談の過程と65年に締結された「韓日条約」の不当性についてあらためて指摘し、全面的に無効だとして白紙化を要求している。

「独島爆破」発言にも

8月29日に公開された「韓日会談」全過程の文書 [写真=聯合ニュース]

 談話、論評の指摘内容をまとめると、@売国的で屈辱的だったA米国が背後で操縦した張本人であるB今日の南朝鮮は50、60年代の南朝鮮とは違う−の3点に集約される。

 まず1点目。これは、時の南の政権が経済協力を得るために民族の尊厳、利益を売ったというものだ。具体的には対日請求権をうやむやにした点、「独島爆破」まで言われながら「第三国の調停」に任せるとした点を挙げた。

 祖国統一民主主義戦線(祖国戦線)は3日の談話で、日本側が「独島爆破」という暴言まで吐いたことが今回新たに確認されたことに触れ、「こうした破廉恥な行為に打撃を与える代わりに『第三国の調停』に任せようということで妥協しようとした」と、当時の南当局の対応を厳しく批判した。

 朝鮮日本軍「慰安婦」および強制連行被害者補償対策委員会スポークスマンは6日の談話で、会談の過程で「従軍慰安婦」問題を上程すらしなかったことを非難し、「日帝に貞操を奪われ、憤まんやるかたない思いで死んでいった数十万人の朝鮮女性を二度殺した反民族的犯罪」だと主張している。

 2点目の、米国が「背後操縦者」であるとした点については、労働新聞6日付が64年8月に駐韓米大使が南の外務部長官と会い、中断した韓日会談の再開を要求した事実、65年4月29日に米国務省次官補が「協定調印」を要求した事実などを挙げた。

 そのうえで、「国内世論の反対にもかかわらず日本との国交正常化が急速に進展した背景には、東北アジアで反共戦線を構築しようとの米国の世界戦略が作用した」などの南の世論を紹介したが、これはそのまま朝鮮側の見解を示したものといえる。

50、60年代の南と違う

 注目すべきは3点目の「今日の南朝鮮は50、60年代の南朝鮮ではない」との指摘だ。

 実際、南では政府主導下で日帝強制占領下強制動員被害真相究明委員会が組織され、南だけでなく海外にまで範囲を広げて、強制連行被害者に対する徹底調査を行っている。

 さらに、今回の「韓日会談」文書全面公開を機に、南政府は「慰安婦」問題などの反人道的犯罪に当時の日本政府や軍が関与していたとして、日本政府に法的責任があると結論づけ、外交的対応方案を求めていくことにしたという。

 さらに、日帝強制占領下強制動員被害真相究明委員会は2日、「日本軍慰安婦推定名簿」「海南島に連行された朝鮮人性奴隷」の2件に関して真相調査を行うことを決めた。

 朝鮮側が、祖国戦線の談話などを通じて「50、60年代と違う」としたのは、こうした南側の対応に共感を示したものととれる。「親日名簿発表」の南の報道を朝鮮中央通信がいち早く紹介したのにも、そうした背景がある。逆に、「親米親日売国行為を働く逆賊党『ハンナラ党』には厳しい審判を下すべきだ」(祖国戦線)と手厳しい。

「民族の百年の宿敵」

 「日帝の過去罪悪に対する清算に顔を背けたままで日本との関係回復などあり得ず、このような『協定』はいかなる場合にも許せない」(労働新聞6日付)というのが、今回の「韓日会談」の文書公開に対する朝鮮側の立場だ。

 3団体の談話は共通して、日本が反人倫的犯罪に対して謝罪、補償せず、国家の責任を免れようとしているとして、謝罪と補償を必ず勝ち取ると主張した。

 とくに日帝の朝鮮強制占領被害調査委員会スポークスマンの談話(5日)は、日本を「わが民族の百年の宿敵」だとして、「最後まで決算し血の代価を受けねばならない」と強調した。

 日朝交渉朝鮮側前団長の鄭泰和氏は最近、本紙と行ったインタビューで、「日本がわが民族の前に歴史的に犯した大罪を絶対に許さないというのが、朝鮮の軍隊と人民の意志」だとして、「過去清算に対する日本の姿勢と立場を注視する」と述べた。

 日本の過去清算に基づき関係正常化を実現することを盛り込んだ朝・日平壌宣言の採択(02年9月17日)から間もなく3年。日本の対応が問われている。(文聖姫記者)

[朝鮮新報 2005.9.10]