そこが知りたいQ&A−6者会談、再開でどうなる? |
非核化最終目標に向け歩み寄れば、核の平和利用含め調節必要 7日に休会した第4回6者会談は、今週再開が有力視されている。再開されればどのような論議が予想されるのか。Q&Aで見た。 Q 6者会談の今週再開が有力視されているが。 A 朝鮮側団長の金桂官外務次官は休会に先立つ7日の記者会見で、29日からの週の再開を示唆しながら、「今後の接触を通じて日程を確定する」と語った。ホスト国である中国の武大偉外務次官は、「自分のアイディア」だとしながらも、9月2日の再開を示唆した。ただし、この日時に関しては北京の朝鮮外交筋が「可能性はない」と語ったとされる(インタファックス通信)。それでも近日中の再開を目指して、各国が接触を重ねている。朝米は、「ニューヨーク・チャンネル」を通じて、23日現在で4回協議した。 Q 再開されればどんな展開になるのか。 A 休会前の会談では、朝鮮半島非核化を最終目標に定めるうえで参加各国が共通の認識を持った。最大の焦点は朝鮮が「平和的核活動の権利を持つ」か否かということだ。金次官は会談途中、「われわれは非核化をしようということだが、平和的核活動の権利も持っている」と朝鮮側の立場を明らかにした。 これに対し、米国側は平和利用も含めたすべての核計画の放棄を求めている。 これと関連して南の鄭東泳・統一部長官は24日、「北が核拡散防止条約(NPT)に復帰し、国際原子力機関(IAEA)の査察を受けるなら、NPT加盟国として享有できる平和的核利用権を持つのは当然だ」と述べた。 訪米中の潘基文外交通商部長官もライス米国務長官との会談で、「双方は北がすべての核計画を廃棄しなければならないとの点を再確認した」としながらも、条件付の核平和利用権に関する南側当局の立場について、「米国も理解する反応を示した」(潘長官)と述べた。 北がNPTに復帰し、IAEAの査察を受けるのなら、NPT加盟国として当然、核の平和利用の権利は認められる、というのが南側の立場だといえる。 北は、最終的にはNPT復帰、IAEAの査察受け入れを表明している。 この問題も、難しいようだが、交渉の余地は十分ある。 Q 米の対応にかかっているということか。 A そのとおりだ。金次官は「米国が休会期間に、われわれがいかなる核も持てないようにする政策を転換するよう願う。これこそが次回会談進展のカギだ」と述べた。 潘長官も、「(核の平和利用を含む)すべての問題は、(会談が再開されれば)現地で代表らが調節していくことになる」と語っている。 Q 北は先の会談で軽水炉提供を要求したというが。 A これと関連しても、鄭統一部長官が興味深い発言をしている。連合ニュースによると、鄭長官は、「北が将来、平和的核利用の権限を享有すれば、新浦(軽水炉建設現場)はすでに地盤も築いており、半島内で最もしっかりした岩盤地域だ。したがって、南北共同での事業を模索できる」と語っている。 解釈のしようによっては、北の核問題が解決すれば、北南主導下に軽水炉建設事業も再開できるともとれる発言だ。 Q 22日から「ウルチ・フォーカス」米韓合同軍事演習が行われているが、6者会談への影響は。 A 当然ある。そもそも北が核をもたざるをえなかったのは、米国の核の脅威があったからだ。にもかかわらず、6者会談の再開が取りざたされている時に、あえて軍事演習を行うのは、北を刺激するものととられても仕方がない。 朝鮮外務省スポークスマンは「信頼構築と平和共存を論じる6者会談のプロセスにいかなる影響を及ぼすか、米国自身が知らないはずがない」と批判した。 Q 6者会談の行方は。 A 中国の武次官は休会を告げる「議長声明」発表の席で、「すでに山頂は見えた。今少し休むのは、さらに順調に山頂に達するためであり、これは今協議で得た非常に重要で積極的な成果だ」と述べた。 朝鮮半島非核化という最終目標は定められているだけに、あとはその道のりを決めるだけだ。互いに歩み寄れば良い結果が得られよう。(文聖姫記者) [朝鮮新報 2005.8.27] |