〈8.15民族大祝典〉 すでに統一達成のプロセスに 南当局、民間、積極的な行動 |
自主、平和、統一のための8.15民族大祝典(民族大祝典)が14日から16日までソウルで開催された。解放から60年、そして分断60年の今年の8.15を、北と南、海外から集結した代表らは、分断に終止符を打ち「わが民族同士」の理念のもとに統一へと向かう民族の総意を示す場として輝かせた。(琴基徹記者) 進展する統一情勢
14日、サンアムワールドカップ競技場での開幕式に掲げられた「統一は成された」の大きな垂れ幕。 「統一は成された」−故文益煥牧師が口癖のように言っていた言葉だという。今がすでに、統一達成のプロセスの中にあるということを物語る言葉である。すでに統一達成へのプロセスに入ったことは、民族大祝典期間、北南、海外の当局、民間の代表の積極的な行動や演説での一言一言、そして急速に進展する朝鮮半島情勢に如実に表れていた。 北側の当局、民間代表団の顕忠院訪問(14日)と国会議事堂訪問(16日)はいずれも分断歴史上初めての出来事だった。またこの間、離散家族の画像再会、北南西海間の軍事直通電話開通、北船舶の済州海峡通過など、統一が進行形であることを証明する出来事が引き続きあった。 「キョレマル大辞典」の北南共同編さん活動報告会議(16日)が、民族大祝典の公式行事として開かれたのも意義深い出来事だった。今年2月20日に北南共同編さん委員会が結成された以後、北南、海外の編さん委員が「民族の統一は言葉の統一から始まる」という認識のもと作業を進めてきた。今回発表された共同編さん要綱では、北と南で共通する言葉はもちろん、「異なる言葉は北と南が最大限の努力を傾け単一化」し、約30万語を収録するとしている。「キョレマル大辞典」が完成すれば、北と南が教育、文化、言論などさまざまな分野で現在ある違いを解消し統一的に発展させることができる土台ができることになる。 「6.15の威力肌で」
民族大祝典の過程で目立ったのは南社会の大きな変化だった。とくに南の政府当局や政治家たちの統一に対するより突っ込んだ積極的な発言が目立った。 南側当局代表団の鄭東泳統一部長官は、「歴史はわれわれの手で政治的運命を決定し、それに基づき平和を実現して統一を達成する堂々たる自尊、自主、統一国家を建設することを求めている」(開会式)と、外勢依存からの脱却を強く示唆した。金元基国会議長は、「(国会が)政府と民間が進めている南北関係の進展努力が止まることのないよう支援し、また安定し進むように法と制度を整備する」という言葉で国会議事堂を訪問した北の代表らを歓迎した。 南社会の変化は南側代表団のメンバーからも伺い知ることができた。解放から60年、この間、民主化と統一のために闘ってきた人たちが代表団の主流となっていた。 ファン・ソンさん(33)は、学生だった98年に汎青学連南側本部の代表として北の地を訪れ、板門店を通過し南へ戻り当局に拘束、延べ3年半に渡り投獄生活を経験した。統一行進に参加しながら、「7年前は1人で板門店を渡ったが、今日は政府と民間の多くの人と一緒に歩くことができて夢のよう。6.15の威力を肌で感じる」と語る。 大邱慶北統一連帯の姜昌徳顧問(79)は、7度の投獄で延べ13年を獄中で暮らした。「南ではこれまで『自主』のスローガンを掲げると『親北』としてすぐに拘束された。今は政府自らが『自主』を掲げている。昔は統一運動をすると監獄に入れられたが、今はこうして宴会に招待されるようになった」と社会の変化を語る。 8.15民族大祝典は、「和解と繁栄の未来へと進む民族史の逆らえない流れ」(白楽晴・南側準備委員会常任代表)が北と南、海外を一つにし大河となっていることを全世界に示した画期的な場であった。 [朝鮮新報 2005.8.25] |