〈月間平壌レポート〉 市民ら「6者会談」に注目 |
【平壌発=姜イルク記者】昨年7月から北南関係がこう着状態にあったため、ここ1年ほど北南関係担当記者らとの接触の機会は多くはなかった。しかし、平壌での6.15統一大祝典、ソウルでの第15回北南閣僚級会談のあった6月に一気に増え、7月はさらに彼らに会う機会が増えた。疲労はたまっているようだったが、表情は明るかった。 「大きな行事なのに」
7月の北南関係も良好に発展した。平壌では民族作家大会(20〜25日)、ソウルでは北南経済協力推進委員会第10回会議(10〜12日)、金剛山では北南大学生らの面会(17〜18日)、開城では8.15大会関連の北南当局間実務接触をはじめとする北南軍事、赤十字団体などの実務接触が行われた。当局と民間レベルの活発な交流は、このように多岐にわたった。 関係者はもちろん、記者らも忙しい毎日を過ごした。 分断史上初となる民族作家大会には、通信社や新聞社、テレビ局など30人近くの北側取材陣が押し寄せた。しかし彼らの中に、北南大学生らの面会を取材した記者はいなかった。行事の規模は数百人で、決して小さな行事ではなかったにもかかわらず、記者は数人ほどだったという。 某社記者は、「ひと昔前なら、あのような大規模行事にはメディア各社が競って取材していた。今は6.15統一時代。8月以後はさらに多くの行事が予定されている」とうれしい悲鳴を上げていた。それだけ、取材する行事が増えたといえる。それも同時期に行われるので、記者の振り分けも大変のようだった。 一方、北南関係が活発化する中で市民からは、南でのテロ事件発生を憂慮する声が聞かれた。 ロンドンなど各地で起きている連続爆発事件は、国内のテレビ、新聞などでも伝えられており、これと関連した世界各国の反響なども詳細に紹介している。 市民らが注目しているのは、連続爆発事件が起きた原因が、「反テロ」の看板を掲げて米国のイラク侵攻を積極的に支持し参加したことにあるという指摘だ。 そのため市民らは、米国に追随してイラク戦争に加担した南もテロの標的になるのではないかと憂慮している。テロを防ぐためにも米国追随をやめるべきだという世論がさらに高まっている。 「反米」はピタリ止む 注目されるのは、朝鮮で露骨な反米キャンペーンが行われていないことだ。 朝鮮戦争開戦の6月25日から停戦日である7月27日までは「反米闘争月間」に定められている。例年のように、6月末には平壌市民大会が開かれた。しかし6者会談開催が発表されてから反米キャンペーンはピタリと止んだ。6者会談への配慮がうかがえる。 反対に、現在は反日一色だ。16日頃から、日本の対朝鮮敵視政策、軍国主義化、歴史わい曲と領土拡張野望などを糾弾する集会が各地の工場、企業所、大学などで連日のように繰り広げられている。 朝鮮外務省スポークスマンは10日、第4回6者会談の7月末開催を明らかにしながら、日本だけは6者会談の再開に寄与したことがない、と指摘した。また20日には朝鮮中央通信の論評を通じて、6者会談が開かれても日本は相手にしないとの立場を鮮明にした。その理由について、日本は核問題の解決に何の関心もなく、会談の妨害ばかりを繰り返し、今もそのような姿勢を崩していないからだと説明している。 6者会談の行方は、良好に発展する北南関係にも少なからぬ影響をおよぼすことになるだろう。 市民らは、26日から始まった6者会談に大きな関心を寄せている。 [朝鮮新報 2005.7.29] |