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どうなる6者会談−朝鮮側の立場は伝達 米がどう考えるかが鍵

 金正日総書記は6月17日の鄭東泳・統一部長官との面談で、米国が朝鮮を相手として認め尊重する意思が確かなら7月中にも6者会談に復帰できると述べた。6者会談再開はどうなるのか。最近の流れを整理した。

NYでセミナー

2日に発表された党中央委、党中央軍事委共同のスローガンを貫徹するための平壌市民集会(3日)。スローガンの反米に関する部分は一項目のみ

 6月30日から今月1日までの2日間にわたって、全米外交政策協議会(NCAFP)が主催するセミナーがニューヨークで開かれた。朝米をはじめ6者会談当事国高官が顔をそろえた。

 朝鮮側からは、6者会談の次期代表とされる李根外務省米国局長が、米国側からはデトラニ朝鮮担当大使が参加した。

 連合ニュースによると、セミナー開催中、朝米はさまざまな形で接触し、互いの立場について虚心坦懐に話し合ったとされる。参加者らは「雰囲気がよかった」「有益な会議だった」と口をそろえた。

 李局長はセミナー終了後、記者団に対し、「2日間の意見交換を通じてさまざまな問題について、とても真しに論議した。また、役に立った」と語った。

 6者会談に関しては、「6者会談に参加するわれわれの立場は明白だ。われわれをして6者会談に出られる名分を立ててくれなければならない。それに対するわれわれの立場は米国側に伝えた。次は彼らがどう考えるのかを待たねばならない」と指摘。「暴政の前哨基地」発言を撤回するよう求めたと強調した。

 一方のデトラニ大使は「セミナーではすべてのことを論議した。よいセミナーだった」と話すに留まった。

 朝鮮側は6者会談の日程については明らかにしなかったと伝えられる。

まだ立場不確か

 鄭長官との面談で総書記は、6者会談について、放棄したことも拒否したこともないと述べている。そのうえで、米国が朝鮮を相手として認め尊重する意思が確かなら、7月中にも会談に復帰できると語った。

 とはいえ総書記は、この問題と関連してはもう少し米国と協議する必要があるとつけ加えた。米国の立場がまだ確かでなく、時間稼ぎをしているようだとも述べたという。

 一方、鄭長官は6月30日から3日まで訪米しチェイニー米副大統領、ライス国務長官らと会った。ソウルに戻った長官は、6者会談再開の可能性について、「関係国がもう少し実践的努力をすることが重要であるとの点で考えを共にした」と記者らに語った。

米国歌にも敬意

 6月28日に平壌の柳京鄭周永体育館で行われた世界女子ボクシング理事会(WBCF)選手権争奪戦と争奪選手権獲得競技。

 第1試合は奇しくも朝米対決となった。試合前、両国の国旗がリング上に掲げられ、国歌が流れた。観客たちは米国の国歌が流れる際にも立ち上がり敬意を表した。

 「6.17面談」後の一つの変化に、対米非難のトーンが抑えられていることが上げられる。例年朝鮮戦争勃発日である6月25日に行われる反米集会も今年はなかった。

 労働新聞5日付に掲載された論評は次のように指摘した。

 「われわれは朝鮮半島の核問題解決のための雰囲気作りのために真しに努力している。われわれは決して6者会談に反対したり放棄しなかった。問題は6者会談に対する米国の立場が不透明なところにある。米国が自ら行うべきことをせず、『先核放棄』だけを引き続きわれわれに強要するなら、それによって解決することは何もない」

 朝鮮はやるべきことはやり、言うべきことは言った。米国がそれにいかに答えるか。6者会談再開は米国の出方にかかっているといえる。(文聖姫記者)

[朝鮮新報 2005.7.8]