NPT再検討会議 朝鮮中央通信が指摘 「問題の根源、米国に」 |
朝鮮中央通信は4日、NPT(核拡散防止条約)再検討会議が閉幕したことと関連し、次のような論評を発表した。 最近、ニューヨークでNPT再検討会議が幕を下ろした。 会議では、核保有国の核軍縮が先行されてこそ核拡散防止問題が正しく解決されるという主張が強く出された。 とくに、条約上の義務を履行しない米国に対する非難が高かった。 核兵器削減のような核保有国の義務履行は意識的に行わず、小型核兵器の開発や安保公約の保留、核先制攻撃シナリオの作成などNPTに抵触することばかり進んでおこなったことにより、米国は事実上、条約を崩壊の危機に追い込んだ主犯格とみなされた。相次ぐ追及と嘲笑のなか、米国は恥をかかされるだけだった。 会議の過程が示すように、現在国際的に議論されている核問題発生の根源はすべて米国にある。 NPTの履行で規範を示すべき国は、世界最大の核兵器開発および保有国である米国だ。 しかし、米国はNPTの履行はおろか、逆に核兵器の拡散を引き起こしている。 米国はこんにちまで、包括的核実験禁止条約の批准を拒否し新たな核兵器の開発と生産を急いでいる。 また、核問題に対する二重基準の適用と反米国家に対する核先制攻撃による威嚇など、米国の核政策はさらなる核問題、「核危機」を生み出している。 にもかかわらず米国は、今会議でみずからの核政策は正当化し、他国に難癖をつけることに終始した。 とくに、われわれの「核野望」についてうんぬんしながら、これを世論化するために東奔西走した。 これが、核と関連した問題で米国がとってきたごう慢な姿勢であり、破廉恥な行動である。 結局、核問題と関連して朝米間に横たわる根本的なしこりが何であるかということが、今会議を通じて明るみに出たことになる。 われわれは当初から、非保有国が保有国から当然保障されるべき初歩的な問題を米国に要求してきた。 米国がNPTに尊厳をもって接し、非保有国を対象に「無条件的な核不使用による安全保障」を提供したり、先制攻撃用の小型核兵器の開発を追求しなければ朝米間の核問題は発生すらしなかっただろう。 米国は、平和的核利用に対する非保有国の合法的権利も当然尊重するべきだった。 われわれは今会議の過程を注視し、米国が遅ればせながら過去の過ちに対し誠実に反省することを期待した。しかし、現実にはそうならなかった。 米国が核攻撃政策を柱とする世界制覇戦略を放棄しないかぎり、事態は変わらないのである。 われわれは会議の結果をもって、6者会談に臨んだとしても米国が他の非保有国に与えられないような約束を、われわれにだけ特例を認めるのかどうかをふたたび疑問視している。 われわれが、6者会談で平等な立場から核軍縮問題を論じようと提案したのも、こうしたことから出発したものである。 米国が引き続きみずからの独善的な核政策と主張に固執するのであれば、6者会談でもいい結果を期待するのは難しいというのがわれわれの判断である。 労働新聞も「原因は米国にある」と強調 労働新聞は3日付の論評で、NPT再検討会議が言葉のやり取りだけで時間を費やし、いかなる結果ももたらさなかったことで世界の失望を集めたと述べながら、その原因は米国にあると強調した。 同紙は、核問題の主犯格である米国の誤った立場と行動により、今会議がなんら進展を見ることができず、深刻な失敗を記録したというのが専門家の共通した見解、評価であると指摘。米国が6者会談の成功と核問題の解決を望むのであれば、今会議の教訓を生かし、信頼性ある政策的な態度の変化を実践行動に移さなければならないと強調した。(朝鮮通信) [朝鮮新報 2005.6.7] |