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そこが知りたいQ&A−北南当局の実務会談が行われたが?

 Q 16日から19日まで開城で北南当局間の実務会談が行われたが。

 A 北南当局が実務会談という形式で対話を行うのは異例なことだ。これまで類似した例としては、02年8月、約9カ月間開かれていなかった第7回北南閣僚級会談準備のための「実務代表接触」がある。閣僚級会談の開催日程と議題、釜山アジア競技大会への北側代表団参加などで合意した。また、94年、00年最高位級会談を準備するための対話がある(94年は金日成主席死去のため実現しなかった)。

 Q 会談では何が決まったのか。

 A 3日間の討議の結果、共同報道文が発表され、6.15共同宣言発表5周年を契機に平壌で開かれる民族統一大祭典行事に@閣僚級を団長とする当局代表団を派遣し、A行事が和解と協力の雰囲気のなかで開かれるよう積極的に協力するための実務討議を行うことで合意した。統一行事に当局代表団が派遣されるのは初めてのことだ。

 また、B昨年5月の第14回以来中断されていた第15回北南閣僚級会談を6月21日から24日までソウルで開くことにした。

 さらに、C人道主義と同胞愛の立場から協力事業を積極的に推進。当面、南側が肥料20万トンを北側に提供することにした。

 Q なぜこの時期に開かれたのか

 A 北側は今年が「6.15共同宣言発表5周年になる意義深い年」(新年の共同社説)だと再三強調してきたが、北南当局間の関係がこう着したままではその意義を失いかねないと判断したからだろう。

 実際、北南閣僚級会談北側代表団の権浩雄団長(内閣責任参事)が14日、鄭東泳南側代表団首席代表(統一部長官)あてに送った電話通知文は冒頭、「遠からず歴史的な6.15北南共同宣言発表5周年を迎えることになる」と切り出し、実務会談開催を提案した。

 「わが民族同士の理念を具現して北南関係を一日も早く正常化することを願う」とも指摘した。

 北側は昨年7月、民間追悼代表団問題での謝罪を要求してすべての当局間対話チャンネルを閉ざしたが、歴史的な6.15共同宣言発表5周年を前に、南側の謝罪を先送りにした。

 Q 会談に対する双方の反応は

 A 核問題を口実に、ブッシュ政権が対北軍事攻撃計画を策定するなど朝鮮半島が緊張状態にあり、北南当局間の対話が途絶えていた中で開催された今回の実務会談は、こう着状態解消のきっかけになるとして開催自体が歓迎された。与野党は一斉に「国民の期待は大きい」(民主労働党)などとする論評を発表し、10カ月ぶりの対話再開に歓迎と期待を示した。

 その後、実務会談の合意によって21日から行われている肥料支援のニュースも肯定的に報道され、北南関係改善にいっそうの期待が高まっている。

 北の労働新聞などは、祖国統一、民族共助の必要性を改めて強調した。しかし、実務会談報道以外、論評などは掲載されず、平静を保っている。

 そもそも今回の会談は、あくまでも実務会談。具体的なことは、当局代表団の6.15行事派遣時や閣僚級会談で煮詰めていこうという姿勢がうかがえる。

 Q 今後の北南関係の展望は

 A 今回南側は、閣僚級会談など対話チャンネルの復元を課題として提起した。

 一方北側は、北南関係をわが民族同士の理念と民族共助の原則に基づいて発展させていく立場に立つよう強調した。6.15発表からの5年間、当局間対話はブッシュ政権の対北敵視政策の影響を受けて中断と再開を繰り返してきたが、その根源を絶とうということだ。

 北側は、南側が依然として「北側の根本を否定して体制対決を追求し、外部勢力との共助のみを重視している」(北側団長)と見ている。信頼回復が最優先課題となるだろう。

 南側がそのことを行動で示していけるのかどうか、が今後の北南関係のカギを握っている。その意味で、実務会談で北側代表が言及したように民間追悼代表団問題の謝罪、北の体制を否定する「国家保安法」撤廃などが当面の焦点となりそうだ。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2005.5.26]