朝米核問題 対話通じた平和解決を 「変わらぬ米の一方主義」 |
南朝鮮の世論「先制攻撃はノー」 国連安保理への付託、経済制裁論がブッシュ政権の一角から出始めるなど、朝米間の核問題は日に日に緊迫の度合いを深めている。米国は先制攻撃論を再度持ち出し、情勢をさらに悪化させている。こうした中、南朝鮮では米国の先制攻撃論を非難するとともに、外交による平和的解決を求める世論が高まっている。 軍事行動は深刻な抵抗にあう 「先制攻撃を、当然選択できる手段のように口にしていることに対し、まったく言及できないような厳しい雰囲気を作らなければならない」 統一ニュースをはじめとするインターネットメディア、韓総連、「6.15共同宣言実践のための青年学生連帯」が10日、共催した講演会で、キム・ミンウン聖公会大学教授はこのように述べながら、米国の先制攻撃論を非難した。 またキム教授は、北東アジアにおける米国の戦略について、「韓米日同盟によって中国を包囲し、成長を妨げること」だと指摘。米国の一方主義的で膨張主義的な軍事戦略が常に通じるわけではなく、深刻な抵抗に直面するということを米国に理解させるような行動を起こすことが大事だと強調した。 そのうえで、「米国は南北関係を絶え間なく敵対化させ、北の自衛的選択を犯罪であるかのように主張している。米国が自らの手段を正当化しているために、わが民族の生命と平和は絶えず脅かされており、統一も妨げられている」と語った。 また、連合ニュースは9日付の時論で、「北の核問題は、米国が考えているような先制攻撃など、武力で解決しようとしてはならない」と前置きしたうえで、6者会談当事国は誠意と忍耐を土台にした対話を通じ、この問題を平和的に解決していかなければならないという原則を想起するよう促した。 「核実験情報」はねつ造の恐れも 一方、「北が核実験を準備している」という相次ぐ米官吏の発言に対し、このような情報が誇張もしくはねつ造された可能性があるとの指摘も出始めている。 このニュースを最初に流したニューヨーク・タイムスは8日、核実験の可能性を取り巻く北の状況に対する評価は、米情報機関の情報が確定的ではなく、逆にねつ造された可能性があることを示唆した。 同紙は、「ブッシュ政権の一部高官は、政権の政策方向に沿って情報機関の結論を修正するよう指示したと批判されている」と述べ、核実験情報もこれに属すると指摘した。 そして、「ブッシュ政権の一部高官は、北で初の核実験が迫っていることを示唆する新しい情報について言及しているが、ある情報機関は、『衛星写真や報告書からは、特別新しいものは見つからなかった』との意見を明らかにしている」と強調した。 こうした事実は、ソウルで10日に行われた第68回反米連帯集会でも触れられた。 「平和と統一を開く人々」のユ・ヨンジェ米軍問題チーム長は、「戦争の危機が高まっているのは事実だが、現在流れているすべての話が事実に基づいたものなのかについては、危惧を抱かざるを得ない。北が核実験を行うということが確認された客観的な事実がないばかりか、仮に精密爆撃を行おうとしても、米国は核施設がどこにあるのかも知らない」と述べた。 また、このような情報を流している米国の政治的意図について、「北を本当に『問題のある国』として写し、一方的な対北政策をとってきたことによって悪化した世論を反転させるとともに、北に対する圧殺政策に反対する韓国や中国に政治的な圧力を加えようというものだ」と強調した。 イラク侵攻で明らかになったように、米国の「情報」がいかに恣意的にねつ造されたものであるかは周知の事実となっている。 朝米間の核問題を、対話を通じて平和的に解決するということについては、6者会談全参加国が合意しており、米国も自身がその合意に賛成している事実を思い起こすべきだ。 [朝鮮新報 2005.5.14] |