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北南動物交流 北から5種16匹、南から5種10匹

 【平壌発=文・李松鶴記者、写真・盧琴順記者】北側の中央動物園と南側のソウル大公園は4月14日、互いに数の少ない動物の数を増やす一方、近親繁殖を防ぐ目的で、両動物園の動物たちを交換した。交換されたのは、中央動物園のツキノワグマ8頭と朝鮮オオカミ、オオヤマネコ、アフリカポニー、イタチのオスメス一組ずつ計5種16匹、ソウル大公園のカバ、赤カンガルー、ワラビー、グアナコラマ、ラマのオスメス一組ずつ計5種10匹。ソウル大公園と交換した動物たちは、すでに中央動物園で展示、公開されている。

「同族協力に意義」 数増やし近親繁殖防ぐ

カバのハスギとトムボンイ

 中央動物園のチュ・クムチョル課長(36)は、「当初、動物たちは環境が急に変わったこともあって緊張していたが、今ではすっかり馴れて管理員の呼びかけにも応じ、エサをくれと口を大きく開けてねだったりする」と語る。

 カバのハスギ(メス、7歳)とトムボンイ(オス、20歳)は、南にいた時と同様、同じ檻の中で暮らしている。管理員たちによると、最初に檻の中に入ったのはトムボンイで、いい場所を占めた。するとそれを見たハスギが、「私より先にいい位置を取ろうというの?」とでも言うかのように、トムボンイを「威嚇」。その勢いに押され、トムボンイはおずおずと場所を譲ったそうだ。その光景に管理員たちは「カバの世界でも人間の世界と同じように、男より女の方が強いようだ」と、口をそろえて笑ったという。

南から来た動物たちは市民の人気を集めている

 「トムボンイとハスギを連れてくる時、南から飼育方法や好きなエサなどの資料を一緒にもらった。中央動物園でも、過去にカバを飼育した経験があるので、南の資料と私たちの経験を総合すれば飼育上の問題はない」(チュ課長)

 トムボンイとハスギ以外の動物たちも、今では新しい生活環境に馴れ、エサもよく食べているという。

珍島犬の「ピョンファ」「トンイル」 24匹の子犬生み愛される

珍島犬の「ピョンファ」と「トンイル」も仲良くすごしている

 一方、金大中大統領が2000年6月13日、金正日総書記に贈った珍島犬の「ピョンファ(平和)」(メス)と「トンイル(統一)」(オス)も仲むつまじく過ごしている。2匹の間にはこれまで24匹の子犬が生まれ、各地方動物園で人々に愛されている。

 チュ課長は、「北南の動物園では互いに補える部分が多々あるので、今後も交流を深められれば。従来のように中国や日本から動物を連れてくるよりも、南から連れてくる方が動物の負担も少ないし、何よりも北南の同族が協力するということに意義がある」と強調した。

 中央動物園には現在、約600種6000匹の動物がいる。

[朝鮮新報 2005.5.12]