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朝鮮外務省代弁人談話 6者会談を軍縮会談に 「凍結と補償」論じる時期過ぎた

 朝鮮外務省スポークスマンは3月31日、われわれが核兵器保有国になった今、6者会談は当然、参加国が平等な姿勢で問題を解決する軍縮会談になるべきだと主張する談話を発表した。談話は次のとおり。

 朝鮮半島で恒久的な平和と安定を成し遂げ、非核化を実現するというのは、われわれの一貫した戦略目標である。

 ところが現在、朝米間の核問題の解決に向けた6者会談のプロセスが依然としてこう着状態に陥っているなか、米国とその同盟諸国は朝鮮半島の非核化に対する誤った見解を流布させている。

 われわれの「核保有が安全保障と両立しない」だの、われわれの「核放棄がすなわち半島の非核化」だのというのがまさにそれである。これは、事態の本質に対する意図的なわい曲である。

 朝鮮半島の非核化を実現するためには、われわれをして核兵器を保有せざるをえなくした根源である朝鮮半島とその周辺で増大する米国の核脅威を一掃し、われわれと関係諸国間に信頼関係が樹立されなければならない。

 元々、朝鮮半島の非核化はわれわれに対する米国の核脅威を一掃する目的のもとに、われわれが先に発議したものである。

 われわれがかつて核拡散防止条約(NPT)に加入し、朝米基本合意文を締結したのもほかならぬ米国の核脅威を除去するためであった。

 しかし、米国はこれらすべてを朝鮮を孤立、圧殺することに悪用した。特にブッシュ政権は露骨な核威嚇によって、われわれがやむなく戦争を防止し、自分の制度、自分の存在を守るため核兵器を製造せざるをえないようにした。

 にもかかわらず、今になって米国は自国の核威嚇は棚に上げ、われわれだけが核兵器を手放せば朝鮮半島の非核化が実現されるかのように非核化の本質をわい曲している。

 非核化は、朝鮮半島の恒久的な平和と安定を保障するために必要なものであって、その他の目的などありえない。

 完ぺきな意味において朝鮮半島の非核化を実現するためには、われわれをして核兵器を製造せざるをえなくした根源から一掃することが問題解決の正しい手順になる。そのためには何よりもまず、米国がわが朝鮮を「核先制攻撃の対象」と見なし、核戦争でわが制度を転覆しようとする敵視政策から変えるべきである。

 しかし、現実はこれと正反対に流れている。

 米国は今も、南朝鮮におびただしい数の戦術核兵器を常時配備し、核打撃手段を随時投入している。

 近年も米国は、南朝鮮とその周辺でわが朝鮮に反対する大規模の核戦争演習を定例的に繰り広げ、原子力空母戦団と核兵器搭載戦略爆撃機を大量投入しており、日本とグアム島などに展開されている米空軍部隊まで動員して南朝鮮で模擬核爆弾投入演習を強行している。

 こうした現実に背を向け、われわれが核兵器を放棄することだけが朝鮮半島の非核化であるというのは言語道断である。

 朝鮮半島の非核化を実現するためには、南朝鮮から米国のすべての核兵器を撤去させ、南朝鮮自身が核武装をすることのできる要素を根源的になくすべきである。もちろん、これは検証を通じて確認されるべきである。

 これと同時に、朝鮮半島とその周辺でわが朝鮮に反対するいっさいの核戦争演習を中止し、核脅威のテコを清算し、われわれと米国を含む周辺諸国間に信頼関係が樹立されなければならない。

 このようになってこそ、金日成主席があれほど願っていた朝鮮半島の非核化が実際に実現されるであろう。

 朝米が技術的には戦争状態にあり、南朝鮮が米国の核の傘のもとにある状況で、それまではわれわれの核兵器保有がむしろ朝鮮半島で戦争を防止し、平和と安定を保証する基本抑止力となる。

 6者会談問題も同様である。今後の6者会談は、取引のような問題解決方式を論じる市場ではなく、実際に朝鮮半島の非核化を公正に実現するための包括的方途を論じる場所にならなくてはならない。もはや、6者会談で凍結と補償のような取引の問題を論じる時期は過ぎ去った。

 われわれが堂々たる核兵器保有国になった今、6者会談は当然、参加国が平等な姿勢で問題を解決する軍縮会談にならなければならない。

 「先核放棄」をすれば、われわれに「集団的な安全の保証」も提供し、「恩恵」も与えられるというのは、われわれに自ら武装を解除し、米国の支配に従えという強盗さながらの論理以外の何ものでもない。

 米国は椅子に座って号令し、われわれは膝を屈して米国の要求に応じるような不平等な「会談」を行っていては、いつまで経っても核問題が解決されないし、対決と緊張だけが増大するであろう。

 朝鮮半島とその周辺から米国の核脅威が一掃されれば、朝鮮半島はもちろん、東北アジア地域の恒久的な平和と安定も保証される。

 したがって、6者会談がその使命を果たすためには、朝鮮半島とその周辺から米国の核兵器と核戦争の脅威を根源的に一掃するための方途を模索する場にならなければならない。

 われわれは、これまでと同様、今後も朝鮮半島で戦争を防止し、全面的な非核化を実現するため自分のなすべきことを果たしていくであろう(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2005.4.5]