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そこが知りたいQ&A−米、南朝鮮軍の合同演習 どういう内容だった

 Q 3月19日から25日までの1週間、南朝鮮全域で米、南朝鮮軍が合同軍事演習「連合戦時増援演習(RSOI)」と「フォールイーグル(Foal Eegle)」訓練を行ったと報じられている。どういう演習だったのか。

 A RSOIは、海外から朝鮮半島に投入された米軍の増援軍を港湾、空港などを通じてスムーズに受け入れ、他の部隊と物資が届くまで待機させたあと、戦線に移動させながら部隊を統合、再編成する演習。すなわち戦争準備を完了させる演習だ。「フォールイーグル」は、このように戦線に配置された戦闘部隊が行う実戦演習だ。

 今回の両演習に動員された兵力は、南朝鮮駐留米軍と米国本土と海外に駐屯する米軍、そして南朝鮮軍1万7千余人に達する。米軍が行っている軍事演習の中では最大のものだ。米軍兵力の内訳を見ると、迅速機動武力であるストライカー部隊をはじめとする陸海空軍が参加。3月14日には、60余機の戦闘機を積載した航空母艦キティーホーク(2001年のアフガニスタン、2003年のイラク攻撃に参加)が釜山港に入港し、演習に加わった。

 また、3月16日、原子力潜水艦ロサンゼルスが慶尚南道鎮海の南朝鮮軍海軍基地に入港していた事実も発覚した。市民団体の緑色連合が3月23日に暴露した。

 ロサンゼルスには、核弾頭トマホークミサイルの発射システムが装着されていることが確認されている。

 南朝鮮の「非暴力平和の波・平和監視団」は今回、ロサンゼルスに核ミサイルが搭載されていた可能性はとても高いと分析している。

 Q 米軍は、合同軍事演習は「定例的な演習にすぎない」と主張している。

 A 米軍と南朝鮮軍による大規模合同軍事演習は、毎年この時期に行われてきた。過去には、チーム・スピリット、ウルチフォーカスレンズなどが、2002年からは「連合戦時増援演習」と「フォールイーグル」を統合した演習が行われている。

 南の市民団体は、こうした演習が行われるたびに、朝鮮戦争が停戦(1953年7月)しているにすぎない北との間の軍事的緊張を誘発するとして強く中止を求めてきた。「定期的な演習にすぎない」というのは、これに対する米軍の弁明だ。その一方で、「防衛を軸」にしていると煙幕を張りながらも「実戦訓練」だという公式報道を発表している。

 南の軍事専門家、李時雨氏は、3月12日発表した論文(インターネットサイト「統一ニュース」)で「50余年間、たった一日も緊張を解けない朝鮮半島の状況下で、『定例演習』という言葉を額面どおりに受け止めるほうがおかしい」と強調。「軍事演習は平和時期に政治、軍事的目的を隠ぺいするための手段」「演習の日常化がもたらす効果は、戦争に対する慣性化、無関心」だと指摘し、注意を喚起している。

 3月21日発表の論文(同上)では、演習の模様内容に言及しながら、「(防衛目的という)発表はウソだ。攻撃的な軍事演習だという批判は免れられない」とも指摘した。

 Q 今回の演習を北はどのように見ているのか?

 A 「実戦と変わりない雰囲気で行われた北侵統合戦争演習」「規模と性格、内容において、立体的な北侵核試験戦争、予備戦争のチーム・スピリットのコピー」だと分析した。

 とくに、2001年のアフガニスタン、2003年のイラク攻撃に動員されたキティーホークが釜山に入港したことと関連し、「米国が他国に対する侵略戦争に先立ち、いつも航空母艦をまず派遣していたという歴史的事実を重視するなら、キティーホークの(釜山)入港が北侵戦争挑発の前奏曲だということは否定できない。これは2期ブッシュ政権の対朝鮮敵視行動がすでに軍事的圧迫段階を超え、実際的な戦争策動へと移っていることを実証している」(3月16日発朝鮮中央通信論評)と指摘した。

 朝鮮外務省は「われわれの制度転覆だけを追及する米国の敵対企図に対処して、核武器庫を増やすことを含め必要な対応措置を積極的に取っていく」(3月15日)という立場を表明した。

 また、3月31日には、こうした米国の核脅威を根本的に取り除くために「6者会談を軍縮会談に転換しなければならない」と、新たに提議した。

 朝鮮半島の平和のためには、核戦争を前提にした米国の軍事演習が永遠に中止されなければならない。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2005.4.5]