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独島侵奪、歴史わい曲 北南、いっせいに対日非難

 独島侵奪、歴史わい曲問題で、北南が共に対日非難、各界の間で怒りが噴出している。北の団体、日帝の朝鮮占領被害調査委員会は、「全朝鮮民族に対する宣戦布告同様」だと指摘し、南の盧武鉉大統領は、「断固として対応」していく意思を表明した。北南はさらに、6.15共同宣言実践のための北、南、海外共同行事準備委員会第1回会議(3月5日、金剛山)でも、島根県の「竹島(独島)の日」条例制定の動きを撤回させるよう強く求めた特別決議文を採択した。今回の問題では、事実上、「民族共助」が形成されており、朝鮮民族の反発は日増しに強まっている。北、南の立場を整理、紹介する。

北の団体、メディア−「民族に対する宣戦布告」

 北の団体、メディアは今回、島根県議会の「竹島の日」制定条例問題が表面化した直後からいっせいに、対日非難の態度を明確にした。

 日帝の朝鮮占領被害調査委員会は3月18日、声明を発表し、「独島強奪行為と歴史教科書わい曲策動、植民地支配関連の妄言は、朝鮮民族の尊厳と自主権に対する耐え難い冒とく、許し難い重大な挑発であり、全朝鮮民族に対する宣戦布告同様である」と指摘した。

 また、「日本はこんにちに至るまでわが民族に謝罪と補償はおろか、逆にわが祖国の神聖な領土まで手に入れようとし、侵略と犯罪の歴史をわい曲してわが民族の尊厳と自主権を乱暴に冒とく、侵害し、正義と良心に挑戦している」と非難。「全朝鮮民族は、日本反動層の策動をいささかも許さず、日本がわが民族に犯した罪悪を徹底的に計算し、その代価を必ず払わせるであろう」と強調した。

 朝鮮日本軍「慰安婦」・強制連行被害者補償対策委員会スポークスマンは3月20日、談話を発表し、われわれの神聖な領土である独島に対する「領有権」を主張するのは、彼らが朝鮮半島を自分らの海外膨張野望を実現する第1の対象に選択し、再侵略の機会をうかがっていることをはっきり示していると指摘しながら、独島強奪行為を直ちに中止すべきであると強調した。

 朝鮮人強制連行被害者・遺族協会スポークスマンも3月21日、談話を発表し、独島を「自国の地」であると強弁を張っているだけでなく、前代未聞の血なまぐさい侵略史を美化する日本反動層の策動は、わが民族の尊厳と自主権に対する乱暴な侵害であり、日帝の蛮行被害者とその遺族に対する許し難い冒とくであり、全朝鮮民族に対する耐え難い挑発であると指摘した。

 労働新聞、民主朝鮮、朝鮮中央通信など、各メディアも連日、論評、論説を発表し、「独島領有権主張は軍事衝突の前奏曲」「懸念をつのらせる重大な事態」と指摘しながら対日批判を強めている。

盧大統領「覇権主義」と明言−侵略、支配の歴史を正当化

南朝鮮全域で反日デモ、集会が連日のように行われている(15日、京畿道水原で) [写真=聯合ニュース]

 南では盧武鉉大統領が3月23日、「韓日関係関連・国民に送るメッセージ」を発表し、日本に対して「これからは断固として対応せざるを得ない」「侵略と支配の歴史を正当化し、再び覇権主義を貫徹しようとする意図を表している以上、黙ってはいられない」と強調した。

 また、「この間(南朝鮮)政府は、日本に対して言うべきことや主張があっても、できるだけ市民団体や被害者にまかせてきたのが事実」と率直に反省し、「これからは政府ができるすべてのことをする」と決意した。具体的には、▼日本政府に対する断固たる是正要求▼国際世論、とくに日本国民に対する説得などの計画を明らかにした。

 さらに、「外交戦争もあり得る」との覚悟を示しながら、「どんな困難があろうとも引き下がらず、人民が納得できる結果が出るまで絶え間なく対処していく」と述べた。

 これに先立ち、南当局は3月16日、日本の一連の動きに対し遺憾の意を示す声明を発表。「最近の日本の行動は、日本が北東アジアの平和勢力として近隣(諸国)と共存しようとする意志があるのかという根本的な疑問を抱かせている」と指摘した。独島問題と関連しては、「単純な領有権問題ではなく、解放の歴史を否認し、過去の侵奪を正当化する行為と変わりない」と非難した。

 その上で、今後の対日関係の基調と対応方向を明らかにした。基調は、▼人類の普遍的な価値と常識に基づく関係を築く▼独島および歴史問題と関する日本の一連の動きに断固として対処する▼われわれの大義と正当性を国際社会に知らせるためすべての努力を尽くす▼すでに合意された政治外交交流は持続させ、経済、社会、文化、人的交流は変わりなく増進させる―という内容になっている。

 南がこうした立場を表明する中で、中山文部科学相は3月29日、中学校学習指導要綱に竹島や尖閣諸島が日本の領域に入ることを明記すべきだと発言。これに対し南政府は、「植民地の歴史を美化した論理だ。断固反対する」(潘基文外交通商相、3月30日)と、さらに非難の度数を高めている。

 一方、市民らの日本に対する反発もよりいっそう強まっている。南の多くの学生、市民団体らはソウルの日本大使館前などで連日抗議デモ、集会を行っている。デモ、集会は、南朝鮮全域で行われ、より拡大する様相を呈している。

[朝鮮新報 2005.4.2]