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中国共産党対外連絡部長の訪朝 揺るぎない朝中関係アピール

朝鮮「中国の平和、安定への努力を評価」、中国「朝鮮の憂慮解決が双方利益」

 国際社会の耳目が集中した中国共産党中央委員会の王家瑞対外連絡部長一行の訪朝。朝鮮中央通信によると、金正日総書記は21日、王部長一行と会見し、朝中関係を新世紀の要求にふさわしく新たな発展段階へと積極的に促すと言明した。一方、王部長も、中朝友好関係を代を継いで輝かす意向を披瀝。両国の親善友好関係を内外に強くアピールした。

19日、万寿台議事堂で王家瑞部長(左から4人目)を団長とする中国共産党対外連絡部代表団と記念撮影する最高人民会議常任委員長の金永南委員長(右から4人目)

 金正日総書記は席上、核問題、6者会談に対する立場と関連し、▼朝鮮半島の非核化を堅持し、対話を通じて平和的な方法で解決しようとする立場には変わりがない、▼今後、関係各国の共同の努力によって6者会談の条件が整えば、いつ何時でも会談に臨む、▼米国が信頼できる誠意を示して行動することを期待している、と述べた。

 このような原則的立場とともに、朝中間の親善友好関係を引き続き築いていくことを強調した。

 総書記は、「6者会談を通じて、核問題と朝鮮側の合理的な憂慮を解決するのが中朝双方の根本の利益に合致する」という胡錦濤主席の口頭請親書に謝意を表し、中国の党と政府が朝鮮半島の平和と安定に傾けた努力を高く評価した。

 また、昨年4月に中国を訪問した際、中国の新しい中央指導集団の手厚い歓待を受けたとしながら、われわれは中国との共同の努力で朝中関係を新世紀の要求にふさわしく新たな発展段階へと積極的に促すと指摘した。

 一方、王部長は朝鮮の核問題に関連して、▼中国は終始一貫、朝鮮半島の平和と安定守護を主張し、朝鮮半島の非核化を支持している、▼対話を通じて朝鮮の核問題を解決し、朝鮮の合理的な憂慮が当然、重視されるべきだ、▼朝鮮半島の非核化が中国の安全と利益にも合致する、▼関係各国の共同の努力により6者会談が即時、再開されるよう希望する、と述べた。

 また、双方高位指導者の共同の努力によって中朝は各分野、各部門間の交流が活発になって成果を収めており、経済貿易交流も安定して増えており、互恵の協力においても新たな気運が引き続き現れていると述べた。さらに、中国は朝鮮との共同努力によって中朝善隣・友好協力を全面的に発展させ、両国関係に引き続き新たな内容と活力を付与することにより、中朝友好関係を代を継いで輝かす意向を披瀝した。

 金正日総書記は会見後、王部長とその一行のため、夕食会を催した。

金永南委員長、2回も会見

 最高人民会議常任委員会の金永南委員長は19日、万寿台議事堂で表敬訪問した王部長を団長とする中国共産党中央委員会対外連絡部代表団と会見し、友好的な雰囲気のなかで談話を交わした。

 金永南委員長は20日にも、代表団と再び会見し、朝中両国間の友好、協力関係の強化、発展と共通の関心事となる諸問題に対する意見交換を行った。

 また19日、代表団のための宴会が万寿台議事堂で行われ、演説した金己男書記と王部長は、ともに、朝中友好をいっそう強化、発展させるため積極的に努力すると強調した。

 演説の要旨は次のとおり。

 金己男書記 友好の情を抱いてわが国を訪問した中国共産党中央委員会対外連絡部代表団一行を熱烈に歓迎する。

 中国人民は胡錦濤氏を総書記とする中国共産党の指導のもとに党を強化し、中国の特色を持った社会主義を建設するたたかいにおいて大きな成果を収めた。

 われわれは、中国の総合的国力が強化され、国際的地位が日毎に高まっていることをうれしく思う。中国人民が党第16回大会で示された戦略的目標を実現するたたかいにおいてより大きな成果を収めるよう希望する。

 中国の党と政府がわれわれの社会主義強盛大国建設と祖国統一偉業の実現に変わることのない支持と声援を寄せていることに謝意を表する。

 朝中友好を引き続き強化、発展させるのは、両国人民の共通の志向であり、わが党の一貫した立場である。われわれは金正日総書記の意図を体して朝中友好をいっそう強化、発展させるため積極的に努力する。

 王家瑞部長 今回、われわれは金正日総書記の誕生日と中朝両国人民の祝日である旧正月に際して訪朝した。

 朝鮮人民は昨年、金正日総書記と朝鮮労働党の指導のもとに自力更生、刻苦奮闘の革命精神で政治、思想、反帝、軍事、経済、科学の3大戦線で大きな成果を収めた。

 金正日総書記を首班とする朝鮮労働党のまわりに一心団結した朝鮮人民が今年の共同社説で示された課題を貫徹して党創立60周年を意義深く迎えることを希望する。

 毛沢東主席、金日成主席と老世代の指導者たちが築き、育んだ中朝友好はあらゆる試練を克服して両国人民の心のなかに深く根付いた。

 胡錦濤氏を総書記とする中国の新しい中央指導集団は伝統的な中朝友好を重んじており、両国間の友好関係を発展させることを重要な方針として掲げている。

 中朝両党、両国にとって今年は深い意義を持つ年である。朝鮮人民と共に中国人民は「伝統継承、未来志向、善隣友好、協力強化」の精神に従って中朝友好、協力関係の強化、発展のため積極的に努力する。(朝鮮通信)

外務省の幹部も同席

 代表団一行は19日から22日まで平壌を訪問した。王部長は訪朝時期について、金正日総書記の誕生日と中朝両国人民の祝日である旧正月に際してと説明した。

 一行の訪朝を伝えた中国共産党中央委員会機関紙の人民日報(インターネット日本語版)は、一連の会見での双方の発言内容を朝鮮中央通信とほぼ同じく伝えた。それによると、今回の訪朝は、朝鮮労働党国際部の招きによるものだという。

 金永南委員長との会見席上に、朝鮮労働党の金己男書記と朴慶善国際部副部長が同席したのはこのためだ。さらに党に限らず、朝鮮外務省の幹部もほとんど顔を見せた。金正日総書記との会見には姜錫柱第1外務次官が、金永南委員長との会見には金衡俊外務次官も同席した。

 また、金永南委員長が2度にかけて会見することも異例だと言える。それだけ朝鮮側は代表団を手厚く迎えた。

 朝中双方は今回、核問題、6者会談などでの協力関係の維持と、揺るぎない友好親善関係を強くアピールした。

[朝鮮新報 2005.2.24]