旧正月を祝う平壌市民 「今年は飛躍の年になる」 |
民族の伝統、文化を重んじることが近年、国家的に奨励されている朝鮮では、旧盆、旧正月などを盛大に祝っている。今年の旧正月は9日で、11日までの3日間が休暇となった。この間、平壌市民は、家族や親せきの家を訪ね、楽しいひと時を過ごした。【平壌発=李松鶴記者】 民俗遊戯に興じる子ども
旧正月当日、金日成広場や凱旋門、平壌体育館前など市内の各広場では、子どもたちがチェギチャギ(羽の付いた、紙などをまるめたものを蹴り上げる遊び)やコマ回し、凧あげなどの民俗遊戯に興じていた。 金日成広場では、集まった子どもたちの歓声があちこちであがっていた。コマ回しに熱中する小学校低学年の男の子たち。コツがなかなかつかめないのか、うまくコマが回せない。記者がカメラを向けていることもあって緊張感ありあり。そんな姿に思いあまって、周りの同級生たちが、「なんで緊張しているんだ。いつもどおりにやればいいんだよ」と励まし半分、冷やかし半分の「アドバイス」。 広場の一角には民俗遊戯売店が設置され、両親や祖父母からもらったお年玉で「懐の暖かい」子どもたちで大にぎわいだった。人気は凧、コマ、チェギの順だった。
子どもたちに遊び方を伝授していたリ・ヨンスクさん(26)は、「凧あげやコマ回しは、民俗の伝統を守るという意味でもいいばかりか、どうすれば凧が高くあがるのか、あるいはコマを長く回すことができるのかなど、子どもたちの探究心を高める面でも意味がある」と語った。 一方、旧正月を機に全国民俗遊戯大会や正月料理品評会などが行われた。テレビでは女性同盟員のオモニたちによる地域対抗ユンノリ大会の模様も放映され、旧正月の雰囲気を一層盛り上げた。 正月料理囲み談笑 朝鮮民族にとって、旧正月の大きな習慣の一つが両親の家を訪ね、新年のあいさつをすることだ。 市内普通江区域に住むムン・オクシンさん(76)の元にも、息子のハン・サンナムさんとサンリョルさん、娘のジョンスンさんらが集まった。
オクシンさんと一緒に暮らす娘のグァンスンさん(40)は、「旧正月には毎年、このようにみなが集まって正月料理を食べながら過ごす。料理はもちろんオモニの手料理で、私はほんの手伝いしかしない」と微笑んだ。 オクシンさんは、「普段はみんな忙しいから、ほとんど会えない。旧正月には子どもたちがあいさつに来るので、手料理にも力がこもる」と語った。 グァンスンさんの夫、キム・ミョンチョルさん(41)は、「毎年、みんなが集まってオモニの手料理を食べるのが楽しみ。娘のスヤンとポムヤンがこの日恒例の小公演を準備しており、それもみんなの楽しみの一つだ」と述べた。 食卓にはソンピョン、ソルギトクなどの餅をはじめ民族料理が並ぶ。「旧正月にはトックを食べた後、冷麺を食べる。最後に冷麺を食べるのは長い麺を食べると長寿するという、これまた昔からの慣わし」(グァンスンさん)だそうだ。 党創建60周年(10月10日)、祖国光復60周年(8月15日)を迎える今年の旧正月。オクシンさん一家は口を揃えて、今年はあらゆる面で飛躍の年になるだろうと展望していた。 [朝鮮新報 2005.2.14] |