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朝鮮外務省声明 6者会談参加を無期限中断、核兵器庫増加対策も表明

 朝鮮外務省は10日、声明を発表し、米国の対朝鮮敵視政策に直面した重大な情勢に対処して、6者会談参加を無期限中断し、核兵器庫増加対策を取るとの朝鮮の立場を鮮明にした。また、自衛のために核兵器を製造したことも明らかにした。声明の全文は次のとおり。

 わが朝鮮を敵視してあくまで孤立、圧殺しようとする第2期ブッシュ政権の企図が完全に明らかになった。

 再三にわたって言明してきたように、われわれは米国に「体制転覆」を狙う敵視政策を放棄して朝米平和共存へと政策転換をすることに関する正当な要求を提起し、そうなれば核問題もすべて解決できるという立場を表明し、第2期ブッシュ政権の政策立案過程を忍耐力を持って鋭く見守ってきた。

 しかし、第2期ブッシュ政権はわれわれの正当な要求にあくまで背を向け、大統領就任演説と一般教書演説、国務長官の議会指名承認公聴会での発言などを通じ、われわれとは絶対に共存しないということを政策化した。

 米国の公式的な政策立場を明らかにした米行政府高位人物らの発言を見ると、どこにもわれわれとの共存や対朝鮮政策転換に関する言葉は一言半句も見られなかった。

 むしろ、彼らは「暴圧政治の終息」を最終目標と宣布してわが国も「暴圧政治の前哨基地」と規定し、必要なら武力使用も排除しないという暴言を公然と吐いた。

 そして、彼らは米国式「自由と民主主義の拡大」を通じて世界をもっぱら米国式価値観に従う一つの形につくると誓った。

 結局、第2期ブッシュ政権の本心は、第1期の時の対朝鮮孤立、圧殺政策をそのまま踏襲し、さらに強化するということである。

 米国は、このようにわれわれの「制度転覆」を目標とする新しい理念の対決を宣布しながらも、一方では核問題の「平和的で外交的な解決策」や「6者会談の再開」について念仏のように唱え、世界の世論をミスリードしようとしている。

 これこそ強盗さながらの強弁であり、謀略と欺まんの名手としての米国の気質と図々しい二重の立場をそのまま示す一端である。

 これまでわれわれは、米国がわが制度に対して中傷せず、われわれの内政に干渉しないなら、われわれも反米をせず、友邦として接するという立場を明白にし、核問題の解決と朝米関係改善のためにできる限りの努力を傾けてきた。

 しかし、米国はこれをわれわれの弱点と誤って判断し、わが人民が選択した尊厳高い制度に対して冒とくし、恐ろしい内政干渉行為を取った。

 米国が、核問題解決の根本的障害である敵視政策を撤回せよというわれわれの要求に背を向け、われわれを敵視したあげく「暴圧政権」と名指ししながら全面否定した状況で、米国と会談する名分さえなくなり、われわれはこれ以上6者会談に参加できなくなった。

 会談の相手を否定しながら会談に臨めという言葉が、矛盾しており、理に適わないというのは至極明白である。会談の相手を無視するにもほどがある。

 米国は現在、愚かにも人民によって選出されたわが政府を否定して人民の側に立っているとしているが、是非とも会談をしたいのなら米国が気に入るという農民市場の商売人や米国がつくったという「脱北者組織」の代表らとすれば良い。

 日本も、米国に追従してわが朝鮮に対する敵視政策に執着している。

 しかも、すでに解決した「拉致問題」にかこつけてニセ遺骨問題までねつ造しながら朝・日平壌宣言を白紙に戻し、国交正常化をしないという日本と、いかにして一堂に会して会談を行えるであろうか。

 思想と理念、制度と信教の相違を超越して平和と共存、繁栄を志向するのは、新世紀の時代の流れであり人類の念願である。

 現在、全世界がこうした時代の流れに逆行するブッシュ政権こそ、極度の人間憎悪思想によって「暴圧政治」を行う集団であるとして呪いと非難の声を高めているのは、決して理由なきことではない。

 われわれは、ブッシュ政権の就任以来この4年間、可能な限り雅量を示し、我慢の限りを尽くしてきた。

 これから再び4年間を今までのように過ごすことはできないし、だからといって再度原点に戻って4年間を繰り返す必要もない。

 朝鮮民主主義人民共和国外務省は、米国の対朝鮮敵視政策によって直面した重大な情勢に対処して次のようにせん明する。

 第1に、われわれは6者会談を望んだが、会談参加の名分が整って会談の結果を期待できる十分な条件と雰囲気がもたらされたと認められる時まで、やむを得ず6者会談への参加を無期限中断する。

 6者会談のプロセスが今のようにこう着状態に陥ったのは、米国の対朝鮮敵視政策のせいである。

 ブッシュ政権が今回、敵視政策を超越して会談の相手に「暴圧政治の前哨基地」とのらく印を押し、われわれを全面的に否定した以上、再び6者会談に臨むいかなる名分もない。

 第2に、米国が核のこん棒を振り回しながらわが制度をあくまでも抹殺する企図を明白にした以上、わが人民が選択した思想と制度、自由と民主主義を守るため、核兵器庫を増やす対策を取るであろう。

 善意には善意で、力には力で対応するのが、先軍政治に従うわれわれの気質である。

 われわれはすでに、ブッシュ政権の増大する対朝鮮孤立、圧殺政策に対抗して核拡散防止条約(NPT)から断固と脱退し、自衛のために核兵器を製造した。

 われわれの核兵器は、あくまでも自衛的核抑止力として残るであろう。

 こんにちの現実は、強い力によってのみ正義が守られ、真理が固守できるということを示している。

 米国の無分別な妄動と敵対的企図が露骨になればなるほど、われわれは早くから先軍の旗じるしを高く掲げ、千万軍民の一心団結と自衛的国防力をあらゆる面から強化してきたことに対して大きな自負心を感じるだけである。

 対話と協商を通じて問題を解決しようとするわれわれの原則的な立場と、朝鮮半島を非核化しようとする最終目標には変わりがない。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2005.2.12]