共同社説へ全国が立ち上げる 農業で一大転換を |
労働新聞、朝鮮人民軍、青年前衛の3紙は1月1日に発表した共同社説で今年、経済建設において最も力を注ぐべき最重要分野として、農業をあげた。この呼びかけに応え朝鮮国内では現在、農業分野で画期的な転換をもたらすため、一致団結して取り組んでいる。【平壌発=李松鶴記者】 昨年比10〜20%前進
チャン・シピル農業省対外協助局局長(63)によると、たい肥や農機具の確保など今年の営農作業に必要な準備は昨年に比べ10〜20%進んでいるという。本格的な作業に入る前のこの時期、地力を高めるためのたい肥生産と、トラクターなどの大型農機具や鍬などの小型農機具の確保に追われている。 チャン局長は、「すべての協同農場で必要なたい肥は、2月末までにすべて準備できる。トラクターなどの農機具も2月16日までには確保できる見通しだ」と述べながら、これらに必要な資金は、農業省がみずから捻出したものだと語った。 農業省では、年末年始の15日間かけて昨年度の農業分野を総括するとともに、そこから得た教訓を生かして今年の指導方針を作成。道、市、郡の担当者らと協議を重ね完成させた。 「今年の方針のなかで特徴的なのは、科学的な営農法を多く導入したこと」(チャン局長)で、新たに開発された多収穫品種などに対する技術工程表などが含まれているという。 こうしたことから、現場では「技術的な指導もしてくれるので、今年の展望は確かだ」と早くも手応えを感じているそうだ。 一方、畜産、果樹、野菜、養蚕などにも力を入れているが、とりわけ畜産は外国から優良品種を買い入れるとともに、技師たちを外国で実習させるなどの措置を取っている。 「今年の最重要課題が農業になったのは、『苦難の行軍』、強行軍時期の過去10年間、自然災害などにより人民生活、さらには国家の全般において食糧問題が最大のネックになったためだ。朝鮮では『衣食住』ではなく、『食衣住』と表現するように、食糧問題をもっとも重要視している。今年の農業で一大転換を図ることで、食糧問題を解決していこうという意気込みが共同社説に反映されている」(チャン局長) 品種改良、発展に力 現在、朝鮮の農業で最も力が注がれているのは優良品種の開発と導入、二毛作、ジャガイモと豆生産だ。
その柱となっている農業科学院では、優良品種の開発、とりわけ稲の品種改良、開発に重点を置いている。コ・クムハク副院長(57)は、「品種改良、開発は、緯度的に寒い地帯に属する朝鮮の実情に合った、発育期間が短く多収穫で、そのうえ肥料の消費が少ない品種の開発に力を注いでいる」と述べた。 コ副院長によると、稲は1ヘクタール当たり7〜8トンの収穫高のあるものを開発、現場に導入しているが、同院ではさらに1ヘクタール当たり9トンの収穫高があがる品種の開発をめざしているという。 一方ジャガイモは、1ヘクタール当たり60トン収穫できる品種の開発に成功、すでに現場に導入されていることから、それ以上の収穫高がある品種開発が求められている。 朝鮮では従来、稲作の前期に麦やジャガイモなどを植え、後期に、トウモロコシを植えていたが、最近はトウモロコシの代わりに豆を多く植えるようになった。「豆は高山地帯、平野地帯などさまざまな地帯で栽培できる」(コ副院長)からだ。 コ副院長は、「これまで蓄積した成果を総動員し、生物工学をはじめとする先進科学で農業分野に貢献していく」と抱負を語った。 現在、朝鮮では省、中央機関はもちろん、全国の機関が農業支援に積極的に取り組んでいる。メディアは連日、各地の機関がたい肥や農機具を協同農場に支援しているニュースを報道している。共同社説を貫徹しようという熱意は高く、確固とした展望も立っていることから、今年の農業分野では一大転換が起きることが見込まれる。 [朝鮮新報 2005.2.4] |