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〈朝鮮の正月あれこれ〉 北南ともに旧で祝う 

 朝鮮半島では正月のことを一般的に「ソル」あるいは「ソル・ナル」と呼ぶ。また、歳首(セース)、年首(ニョンス)とも言い、これは1年のはじまりを表す。ソルは漢字で「慎日」と書き、心身を慎むという意味を含んでいる。

 北では一昨年から正月よりも旧正月(旧暦の元旦。毎年だいたい1月の下旬〜2月の中旬)を祝うようになった。この時期には3日間連休となる。南では以前から旧で祝ってきた。

 正月(旧正月)の朝には、家族は晴れ着を着て、祖父母、父母に歳拝(セーベ)のあいさつをし、家族間の結束を固める。それから茶礼(チャリェ)をし、親戚や隣人、目上の人たちを訪れ、新年のあいさつを交わす。茶礼とは、先祖の1人を祭る祭祀(チェサ)とは違い、先祖たちに新しい1年を迎えたことを伝え、食事のお膳を準備しながら冥福を祈り、誠意を伝える儀式である。茶礼が終わるとお墓参り(ソンミョ)をするのが基本だ。

 正月のごちそうとして欠かせないのがトックッ。日本でいうおぞうにだ。薄く切った白餅を汁に入れ煮たもので、トックッを食べると「1歳年をとる」と表現されるほど(正月の)代表的な食べ物とされる。

 また、「薬食」(ヤクシッ)、または「薬飯」(ヤッパプ)か五穀飯を作り、近所の人と分け合って食べる。

 正月にたしなむ酒を「歳酒」(セージュ)という。薬酒(ヤッチュ)、清酒(チョンジュ)、濁酒(タッチュ、マッコルリ)が多く使われる。

 平壌の主な食堂では、特別食として伝統料理が提供される。とくに、飲食店の密集する蒼光通りはこの時期、家族連れで賑わうという。人口の25%が集中しているソウルでは、この期間はほとんどの人が実家に帰省しているので、どこにいっても閑古鳥が鳴いているそうだ。

 朝鮮半島で親しまれている正月の主な民俗遊戯には、凧揚げ、石蹴り、こま回しなどさまざまなものがあるが、中でも柶戯(ユンノリ)と跳板戯(ノルティギ)が有名だ。

 ユンノリとは、木の枝を2つ割りにしたもの(チャンチャンユン)、または背中が丸みを帯びた栗の実くらいの木片(バンムユン)で作った4つのユッを投げて駒を進めるすごろくだ。

 ノルティギは、シーソーのように2人で板を思いきり踏んで高く跳ぶ女の子の遊び。チェギという羽根のようなものを足で蹴って遊ぶ蹴雉毬(チェギチャギ)も人気だ。

 これらの遊戯は古くから伝えられてきた。情緒的であるとともに、健康にも有益なものとされている。

[朝鮮新報 2005.1.1]