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神戸朝高「朝高祭2005」 朝・日親善の場 民族教育広める機会に

 神戸朝鮮高級学校の「朝高祭2005」が20日、同校(神戸市垂水区)で行われ、同胞、学父母、卒業生、兵庫県下の朝鮮学校中級部生徒、日本人ら約1500人が訪れた。

生徒たちが中心に

「ハモ神戸」では生徒たちが美しいハーモニを披露した

 朝高祭ではまず、体育館で生徒たちによる芸術公演とチョゴリファッションショー、日本の市民団体による演劇が披露された。続いて、運動場に設置された舞台で生徒たちの公演や歌の競演、空手部の演武、金昌幸さんのパフォーマンスショーなどが行われた。会場には生徒たちと女性同盟、オモニ会が準備した売店やゲームコーナーが並び、大盛況だった。

 生徒たちは公演や売店を自分たちの力で運営し、舞台なども教職員らとともに組み立て、設置した。生徒たちの売店は大好評で、ほとんどが完売した。

 朝青神戸朝高委員会の崔恭輔さん(3年)は「朝高委員会定期大会前の最後の行事なので、必ず成功させようとみんなが団結した。とくに今年は規模を大きくしたにもかかわらず、日本人や後輩たちが大勢かけつけてくれて大成功を収めることができてよかった」と語った。

売店に精を出す生徒たち

 朝高祭は、昨年までは生徒と父母たちが「自分たちで楽しむ行事」として行われてきたが、今年は初めて日本市民を招いて朝・日親善の場、民族教育の理解を広める場として開催された。

 生徒たちは今年、「成長、貢献、主張」をモットーに、在日朝鮮人運動の担い手に「成長」し、同胞社会に「貢献」し、それを広く「アピール(主張)」してきた。

 同校の崔在鳳校長は「生徒たちの団結力と朝高のすばらしさをアピールする良い機会になった。みんなが主役になって行事の準備と運営にたずさわり大成功させたことで、生徒たちにとってかけがえのない経験になったようだ」と語る。

朝高生に親近感

 3年生の朴美姫さんは「朝高の良さをアピールするためにみんなが努力した。みんなが一つになれたことがなにより」と語った。1年生の権智香さんは「売店の運営で忙しかったけど、たくさんの人が訪れてくれてうれしい」と語った。

 生徒たちの公演で注目を集めたのは、重唱競演形式で行われた「ハモ神戸」だった。ラグビー部の生徒たちは、斬新なパフォーマンスで会場をわかせた。優勝した高3の「From A」は、ハイレベルなハーモニーで高い評価を受けた。

 西宮市から来た田中ひろみさんは「公演がとてもすばらしく圧倒された。力強く団結した生徒たちの姿に感動した」と語った。

 神戸朝鮮初中級学校の朴成太さん(中2)は「先輩たちは親切でフレンドリーだった」。西播朝鮮初中級学校の李圭右さん(中3)は「朝高の雰囲気がとてもよかった。先輩たちの一生懸命な姿が印象的だった」と感想を述べた。

朝高を知る良い機会

金昌幸さんのパフォーマンスに見入る参加者たち

 日本の市民団体が披露した演劇は、昨年10月に宝塚市制50周年行事の場で民族舞踊を披露した朝高女生徒たちに、ある日本人女性が「朝鮮に帰れ」と暴言を浴びせた事件を主題にした。

 観覧した学父母の韓弘美さんは「民族差別をテーマにした劇を日本人がやっていることに驚かされた。民族教育の歴史などあらためて学ぶことが多かった」と語った。

 同校教養部長で3年学年主任の許敬教員は「情勢が悪いときこそ、日本人との交流や友好親善が大切。草の根運動を展開するうえで民族教育が担う役割は大きい」と語る。「朝高祭を通じて多くの日本人が感動したと感想を残しており、それが生徒たちにも大きな刺激になっている」(許教員)。

 関西学院大学の番場直子さん(総合政策学部3回生)は「生徒たちが純粋ですれてなく高校生らしい。アットホームな感じも伝わってきた。朝高を知る良い機会になった」と感想を述べた。同じ大学で学ぶ神戸朝高出身の白雪希さんは「朝高祭は共生社会の実現に向けたすばらしい試み」と語った。

 朝青神戸朝高委員会責任指導員の朴正哲教員は「行事を大成功させた生徒たちの力の大きさをあらためて感じた。朝・日親善の場としてこれからも発展させていきたい」と語った。(李泰鎬記者)

[朝鮮新報 2005.11.26]