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〈60周年を迎えた朝鮮学校の現場から〉 神戸初中、国際都市のウリハッキョ 民族性と国際感覚養い

 神戸朝鮮初中級学校創立60周年記念フェスティバル「羽ばたけ未来へ in 国際都市KOBE」が13日、同校で開かれた。フェスティバルは、同校と近隣の学校の生徒、園児らの合唱で幕を開けた。生徒たちの朝鮮語、英語、日本語、中国語でのあいさつは、国際都市・神戸に位置する学校を象徴するものだった。

共存共栄する未来を

中級部3年生による公演

 張錫基校長は「生徒たちが民族性をしっかりともって、共存共栄する未来を目指し国際親善の道を切り開いていく存在に育ってほしい」と語る。

 同校は阪神淡路大震災以降、周辺の学校や住民との文化交流に力を注いできた。

 神戸市立中央小学校の木岡正雄校長は「地域の人たちが大勢訪れているのはすごいこと。いろんな人が来て交流し、生徒もスムーズに受け入れている」と語る。

会場は2000人の観客で埋まった

 震災前はまったく関わりがなかったという近隣住民の畠中さん(54、女性)は、震災の時、同校が周辺住民の避難所になり、在日朝鮮人の温かい思いやりに触れたことがきっかけで「朝鮮学校のイメージが変わった」という。

 千葉県のある教員夫婦は10年前、同校が震災で苦しんでいることを新聞で知り、自分たちの住宅資金として貯めてきたお金数百万円を同校に寄付した。今回の行事にも駆けつけ、生徒たちの公演を温かく見守っていた。

 震災写真展を観覧していた杉田哲さん(神戸市陸上競技協会会長)は「震災から10年。つらい思いがよみがえるが、同時に今日ここで活力を感じた」と語る。「外国人学校に対して日本は保障しなければならない。朝鮮学校も大いに発展してほしい」と。

「ハッキョ守っていく」

 中級部3年の生徒たちは、おもしろいパフォーマンスやバンド、アカペラで場内をわかせた。孫勝弥さん(中3、クラス委員長)は「みんなでやりたいことを考えて1カ月前から練習してきた。創立60周年を輝かせることができてよかった」と満足げに語った。

 生徒たちは「ハラボジ、ハルモニが建て、アボジ、オモニが守ってきたウリハッキョをこれからもずっと守っていきたい」と決意を述べた。

 行事にスタッフとしてたずさわった東神戸商工会の全承起さん(28)は「これほど多くの人が駆けつけてくれてスタッフ一同感謝している。これを機に、地域同胞社会のさらなる活性化につなげていきたい」と語った。(李泰鎬記者)

[朝鮮新報 2005.11.19]