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〈60周年を迎えた朝鮮学校の現場から〉 東京第4初中、地道な基金「大きな実」に

 「まずウリハッキョを建て、子どもたちにウリ教育を」−1945年9月13日、東京朝鮮第4初中級学校の民族教育は畳6畳の「国語講習所」から始まった。創立当時、5歳から17歳までの生徒20人に教員が3人。十分な条件は整っていなかった。10月23日、同校で催された創立60周年記念式典と足立コリアンフェスティバルには、ハッキョを守ってきた同胞らが同校を訪れ、60年の月日を回想していた。同校の卒業生は3000人を超える。

ハッキョへの愛着

ウリハッキョを守ってきた同胞ら(10月23日、足立コリアンフェスティバル)

 3月、今イベントのための実行委員会が結成され、62人の実行委員の大半を同校卒業生が務めた。「子どもたちのために」という気迫に満ちあふれていたという。

 実行委員らはハッキョの教育機材購入、補修修理のための基金事業を推進(一口5000円)。500余人の同胞らが基金事業に参加した。

 フェスティバル実行委員会の梁廣守委員長(51)らは、支部管下の分会を訪ねるなど、幾度となく基金事業を呼びかけた。地道な基金事業は「大きな実」となり、目標額を上回った。「ひとつの支部にひとつのハッキョ。愛着がある。『ハッキョのために』という同胞らの確固たる目標があったからこそ基金事業が成功した」(梁委員長)。

 この間、梁委員長は同校生徒らがハッキョを掃除する姿を目の当たりにした。基金以外にもハッキョのため、尽力している人がたくさんいるということを知った。これまではお金だけを払うほうだったという梁委員長。今回逆の立場として基金を呼びかけた期間は、専従活動家の気骨を身をもって体験できた貴重ですばらしい体験だったという。

次世代の気迫

 「60年の歴史はオモニ会にとっての60年でもある」という同校15代目オモニ会会長の金雪子さん(43)。オモニ会では大勢の人を呼び込むため、売店価格を一律にあわせ(300円前後)、学校に還元しようという目標を掲げた。料理などは何度も試作を繰り返し研究したという。結果、バザー出品完売につながった。

 またこの日、舞台での公演など、フェスティバル成功に尽力した朝青足立。同校卒業生各期を対象に責任者を決め基金事業を中心的に進めてきた兪政希さん(26)は同盟員らに基金事業の意義について説明。その過程で困難なことも数多かったが、それが苦痛には感じなかったという。それは「ウリハッキョのためだから」。この間、「人任せにできない」という朝青員らの強く熱い気持ちに触れたという兪さんは「ハッキョのため、朝青のためならなんでもやる」と意気込む。そんな彼らの活発な姿に梁委員長も安堵するという。

 「創立100周年記念には60歳になった自分がまた討論する」−同胞らが異口同音に元気を得たという、1部記念式典での康勝太さん(20)の言葉だ。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2005.11.5]