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南武初級高学年 渋谷駅地下鉄工事現場を見学、生活の場で幅広い知識を

週5日制の一環

 南武朝鮮初級学校の4、5、6年生21人と同校教員ら4人が1月22日、JR渋谷駅を訪れ、2008年3月に開業予定の東京メトロ13号線(池袋〜渋谷)の工事現場を見学した。週5日制の導入による課外授業の一環として行われた。生徒たちは、普段なかなか見られない現場に、終始目を輝かせていた。

 午前9時30分。ハチ公前に集まった生徒たちは、地下鉄工事に携わる職員らと共に現場に向かった。

 まずは現場内の会議室に集合。

地下鉄工事現場を見学する生徒たち

 (株)東急建設・鉄道本部建設部・東急渋谷営業所の鷲見博由所長が工事現場の説明、注意事項などを話した。

 生徒たちは、机の上に置かれた資料やヘルメット、お菓子、ジュース、地下鉄のプラモデルの箱に気を取られながらも、説明を聞いた。その表情は真剣そのもの。

 教員、生徒らはヘルメットをかぶり、職員らと共に現場へ向かった。

 今回見て回ったのは、渋谷駅地下と13号線の建設現場。足場の悪い階段をおそるおそる下り、地下20メートル付近の現場へと向かう。水道管、電気、下水の管、機械を使って穴を掘ったり、セメントを埋めたりする作業員らが見える。

 初めて訪れる現場に最初は緊張気味だったが、少しずつ慣れてくると、「すごい」「意外と明るいね」などと話しながらあたりを見渡し、一つひとつ説明を聞いていた。

ウリハッキョについて説明する朴校長

 現場を見終えて質疑応答が行われた。

 「どのくらいのお金がかかるのか」との質問に、「一つの駅が完成するのに5〜600億円かかる」と職員が話すと驚いた様子。また、「給料はいくらもらっているんですか」との質問に、「君たちのお父さんよりも少ないかな」と職員が答えると室内は笑い声に包まれた。

 見学を終えた朴里恵さん(6年)は、「普段は絶対見られないものを見られて楽しかった」と感想を語った。

 「どんな場所か想像できなくて緊張した」と話す丁元俊くん(4年)。「深い地下で100人もの人が働いていること、初めて見る機械にとても驚いた。職員のおじさんたちもていねいに説明してくれて楽しかった」。

「普段体験できないことを」

 今回の見学は、建築関係の仕事に携わる同校学父母の協力で実現した。

 南武初級では週5日制導入後、「普段体験できないことをさせよう」と英会話や民族教室、課外授業などさまざまな催しを行っている。

 同校の成明美教員(44)は、「生活の場で身近にあるけど、普段はよく見えないものを見せることで、生徒たちも興味を持ってくれれば」と、今回の見学について語った。

 一方で、週5日制をどう生かすかはまだまだ試行錯誤の段階で、全国のウリハッキョが抱える課題でもあると強調する。「少しずつこのような催しを一般化して、生徒たちに幅広い知識を持たせていきたい」と話す。

 朴在和校長(50)は、「生徒たちにはいい勉強になったはず。これからもどんどん企画していきたい」と語った。(金明c記者)

[朝鮮新報 2005.2.1]