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〈総連に対する政治弾圧−強制捜索〉 科協への押収取り消し求める申立書提出

 既報のように、在日本朝鮮人科学技術協会(科協)の黄附^会長をはじめとする6人の代表は25日、科協事務所で警視庁公安部が行った添付品押収品目録記載の押収処分(10月14日)を全部取消す決定を求める準抗告申立書を東京地方裁判所に提出した。内容は次のとおり。

 1、申立人。

 申立人(科協)は、在日朝鮮人の科学者、技術者、生産業者らが集い、会員間の交流と親睦を図り、科学技術活動を行う学術団体であり、権利能力なき社団である。規約上、会長が同団体を代表する。

 2、被疑事実など

 被疑者らは、申立人の会員である。
 被疑事実の詳細は、不明であるが、押収に立ち会った司法警察員の話によると、被疑者らが、薬事法に違反して、医薬品などを広告・販売したというものである。

 3、関連性がない。

 申立人の目的、活動、性質は、上記の通りであり、被疑事実とは、全く関連していない。つまり、申立人は、会員の営業活動など全く知らず、また、日常、会員がどのような活動をしているのかも知らない。
 したがって、申立人の事務所を捜索することは、全く関連性のない場所の捜索である。
 実際に、押収された物も、被疑事実とは、全く関連性がない。

 4、必要性がない。

 押収された物は、目録記載のとおりである。雑誌、名簿、ネームプレート、名刺、封筒、預金通帳、CD、パソコンなどであるが、本件との関連性がないことは、前述のとおりであり、仮に、関連性があるとしても、捜査に不必要な物である。
 後述のとおりマスコミを動員した不相当な押収であるので、アリバイ作りのために、押収したとしか考えられない。

 5、相当性がない。

 本件処分は、何の前触れもなく、突然、100余名の機動隊員が動員され、また、マスコミには事前に通知してなされた。さらには、申立人が弁護士の立ち会いを求めたのに、それが無視してなされた。
 そのため、捜索現場は大混乱に陥り、マスコミ各社に報道され、申立人の業務は妨害され、名誉も毀損された。
 申立人の性質は前述のとおりであり、仮に警察から任意捜査の協力を求められれば、素直に応じるものである。それをせず、あえて上記のような捜索、押収がなされたことは、不相当な手段、方法による処分であり、取り消しを免れない。

 6、別件捜索・押収

 雑誌報道によると、薬事法違反を被疑事実としているが、いわゆる拉致事件の捜査の一環としてなされたものであるとのことである。真偽は不明であるが、上記の通り、関連性、必要性、相当性のない押収処分であり、かりに何らかの捜査目的があるとすれば、別件としか考えようのない事案である。

 7、結語

 被疑事実は、上記の通りであり、新聞報道などによると、インターネットなどを通じて、売られていたとのことである。さらには、被疑者も事実を認めているとのことである。
 そうであれば、申立人の事務所を捜索しなくても、犯罪事実の立証は十分できるものである。あえて、被疑事実と関連しない申立人の事務所を捜索し、不必要な物を不相当な手段で押収した本件処分は、取り消しを免れない。

[朝鮮新報 2005.10.30]