〈総連に対する政治弾圧−強制捜索〉 「6者」進展可能性に抗う |
朝鮮民主主義人民共和国をめぐる国際的環境が好転の兆しを見せると、必ず、警察は「在日本朝鮮人総連合会弾圧事件」を、文字どおり意図的に発生させてきた。 今度の不当きわまりない、あからさまな捜査権乱用の弾圧は、第4回6者協議のすぐ後、第5回への踊り場だった。とともにちょっと見落とすことができないのは、現在、日米が今年2月の「2+2」合意に沿って、その具体的条項を詰めているさなかだという点である。 つまり警察は、いつものごとく6者協議における進展の可能性に抗い、同時に、日米軍事グループによって作られつつある北東アジアの新秩序(新戦略戦術体系)に備える「警察独自のステップの始まり」といったニュアンスを持っていたようにも感じられる。 また、家宅捜索の狙いは「実は拉致問題」と報道されたりもしている。本ボシは別≠ニいうわけだ。仮にそうだとするなら、これはまさに権力自らの白昼堂々たる違法行為であり、まず同捜索による被害者に対してはむろんのこと、さらに拉致被害者およびその家族や国民をも、激しく侮辱するものだ。 いずれにしろ、警察は新たなごう慢と汚辱の歴史を積み上げたと言わねばならない。(野田峯雄、ジャーナリスト) [朝鮮新報 2005.10.25] |