総連中央・南昇祐副議長の談話 対話機運高まりに逆行 |
警視庁公安部は14日午前9時ごろ、在日朝鮮人の経営する会社関係者に対する「薬事法違反」を口実に、朝鮮出版会館(文京区白山4−33−14)を百数十名の機動隊により封鎖し、会館内にある在日本朝鮮人科学技術協会(科協)事務所を強制捜索した。 科協は科学者、技術者、生産業者が任意に集う在日朝鮮科学技術団体であり医薬品などの製造、販売などは一切おこなっていない。警視庁公安部が主張する被疑事実なるものは、同協会とはまったく無関係である。 にもかかわらず、被疑者が科協の会員であるということで、科協と無理やり結びつけ、事前の問い合わせもなしに、物々しい捜査体制をしいて強制捜索することは、常軌を逸した過剰な不当捜査といわざるを得ない。 とくに弁護士の再三に渡る立会い要求をも拒否した。 しかも、朝鮮新報社、朝鮮通信社などの出版機関をはじめ、数多くの団体が事務所をかまえる朝鮮出版会館の勤務者の出入りを封鎖し5時間にわたりすべての業務を強制的に中断させた違法行為は許しがたい暴挙である。 さらに、警視庁公安部が強制捜索に関する情報を事前にマスコミに流したことは、朝鮮総連とその傘下団体のイメージを著しく傷つけようとする卑劣な政治的意図を自ら暴露するものである。 一部の報道機関が今回の「薬事法違反」を「拉致問題」と結びつけ、反共和国、反総連へと世論をミスリードしていることを決して容認することはできない。 警視庁公安部による不当な強制捜索は、第4回6者会談で発表された共同声明と朝・日間の対話機運の高まりに逆行する行為であり、朝鮮総連に対する政治的弾圧の一環と言わざるをえない。 朝鮮総連は、警視庁公安部がおこなった過剰な不当捜査を断固糾弾し強く抗議するものである。 [朝鮮新報 2005.10.15] |