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大阪無年金裁判 歴史経緯無視の判決 救済求め署名呼びかけ

 外国籍などを理由に無年金状態に置かれている大阪府内の在日同胞一世5人が日本に対して慰謝料など計7500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決(25日)で、大阪地裁は「(外国人の扱いは)立法府の裁量範囲内」などとして原告の訴えを棄却した。

 日本は国民年金制度が発足した当初(1961年)、国籍条項を設け、外国籍者を排除。「難民条約」批准に伴う条項削除(82年)後も外国籍者に対して救済措置を認めず、86年の改定時も60歳以上は対象外とした。それによって多くの在日同胞高齢者、障害者らが無年金状態に置かれたままとなっている。

 判決で大阪地裁の小西義博裁判長は、「なんらかの救済措置が取られることが望ましいものの、著しく合理性を欠いたものとは言えない」として、原告らの主張を退けた。

 判決は、日本の植民地支配と差別政策によって発生したという歴史的経緯をまったく無視したもの。原告・弁護団側は、税金を平等に課しながら社会保障からは排除するというのは、日本の憲法や国際人権規約などにも反する明らかな差別、などと訴えてきた。

 年金制度の国籍条項を完全撤廃させる全国連絡会(李幸宏代表)は、無年金の在日外国人障害者、高齢者の救済を求める署名を全国に呼びかけている。国会などに提出する予定だ。

 署名用紙、資料などの問い合わせ先=事務局(TEL 075・693・2550、FAX 075・693・2577、Eメール=lfa@h7.dion.ne.jp)。

[朝鮮新報 2005.5.31]