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社協、朝鮮の経済問題でシンポジウム 農業、工業、対外分野で報告

経済強国建設、多方面で

シンポジウムの参加者たち

 在日本朝鮮社会科学者協会の公開シンポジウム「経済強国建設の現況と展望」が3日、朝鮮出版会館(東京都文京区)で行われ、社協の会員をはじめ研究者、学生、活動家ら約100人が参加した。シンポジウムでは内外で関心の高い朝鮮の経済問題をテーマに取り上げ、農業と工業、対外経済事業と北南経済協力の動向と展望などについて報告が行われた。参加者たちは、朝鮮の経済強国建設が積極的な政策に基いて着実に進んでいることを理解した。

 「農業および食料問題の最近の動向と展望」について報告した朝鮮問題研究所研究員の文浩一さん(社協中央常任理事)は、朝鮮が農業を今年の社会主義経済建設の主な目標に掲げたことを強調。10月13日の国連発表に基づいた計算では約470万トンが生産された(朝鮮の目標は600万トン、報告者が推測する国内需要量は520万トン)と見られると報告した。また、10月1日から実施されている食料供給制について解説し、近年の農業生産の増加は貿易構造や農業管理の改善など、積極的な諸政策の結果だと指摘した。

 朝鮮大学校経営学部の朴在勲講師(社協中央理事)は「経済管理改善処置以降の工業部門動向と展望」について報告。朝鮮では経済再建のための中長期的な計画に基づいた事業が展開されているとして、2002年7月1日の「経済管理改善措置」とそれにともなう法整備、部門別中期計画について解説し、成果について報告した。さらに、今後の課題として、経済管理問題の改善、内閣の役割強化、対外経済事業の改善、北南経済協力の強化などを挙げた。

 「共和国の対外経済事業および北南経済協力事業の最近の動向」について報告した朝日輸出入商事の朴廣常務(社協中央理事)は、対外貿易の対象として中国と南朝鮮の割合が高まっていること、対外経済事業政策における変化について指摘。今年視察した開城工業地区の開発状況と展望などについて報告した。

 シンポジウムでは、朝鮮で常駐記者として数カ月間、取材活動を行った本社の李相英記者が農場や工場などの現場を訪れ得た情報や経験、農民や労働者、関係者らへのインタビューなどを踏まえて報告し、現地の人たちが経済強国建設に向け自信をつけたようだと語った。

 報告後、質疑応答が行われ、分科別(経済、哲学、政治、歴史、地理)研究報告会が行われた。(李泰鎬記者)

[朝鮮新報 2005.12.6]