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金剛山歌劇団朝青員ら 東京第6初級で小公演 「民族の歌、踊り、身近に感じて」

 金剛山歌劇団の朝青員ら8人の小公演が19日、東京朝鮮第6初級学校で行われ、同校生徒、教職員、学父母らと女性同盟大田支部の活動家、大田区議会議員らが観覧した。同公演は学校側の要請で実現したもので、週5日制導入後の土曜日を利用して行われた。生徒たちは、朝鮮舞踊や民謡、民族楽器演奏に真剣な眼差しで見入っていた。公演後はチャンゴとプク(太鼓)、朝鮮舞踊を習うなど楽しいひと時を過ごした。一方、公演に先立ち、女性同盟大田支部と大田区議会女性議員らの共催で行われた「海女のリャンさん」の上映会で得た収益金が同校に贈られ、金秀彦校長に手渡された。生徒たちのあふれんばかりの笑顔に、教職員と団員らは「これからもこういう行事をやっていきたい」と口をそろえていた。

「生徒たちのため」

公演終了後、笑顔で記念撮影

 金剛山歌劇団の朝青員らが朝鮮学校の生徒らを対象に小公演を行うのは、昨年6月の西東京朝鮮第2初中級学校に続く試み。

 「大きな舞台だけでなく、ウリハッキョの子どもたちのために民族の音楽、歌を身近に感じてくれることをどんどんやっていきたい」と器楽担当の河明樹さん(28)は語る。

 そんな気持ちが表現された全8演目の公演は、歌に踊りとバラエティーに富んだ内容となった。最初から迫力あるチャンセナプ独奏に生徒たちはくぎづけ。トランペットの独奏と続いた。

 演奏後の楽器紹介のコーナーでは「この楽器は何か知ってる?」との質問に、幼稚班の児童が手を挙げて「知ってる! ラッパ!」と答えると笑いの渦が広がった。

オッケチュムを舞踊手と共に踊る生徒ら

 生徒だけでなく、学父母たちも朝鮮舞踊と美しい歌声に終始、酔いしれた。途中、舞踊手の指導のもと生徒たちはオッケチュムを習った。「民謡が出れば自然と出てくるのがオッケチュム。どこでも踊れるように練習しよう」。

 朝鮮民族特有のリズムであるチャンダンに合わせて踊る生徒ら。慣れてくると恥ずかしそうに踊っていた生徒らも、最後には輪になってはしゃいで踊った。

 舞踊部主将の禹絢香さん(6年)は、「見るのが初めてでとても感動した。とにかく全部よかった。自分もあんな舞踊手になりたい」と笑顔を見せた。歌劇団歌手の朴理華さん(24)は、「歌や踊りを見てもらって、『自分もこうなりたい』と夢を持ってくれればうれしい」と今公演のやりがいを感じていた。

 「全国のウリハッキョでもやってほしい」と話す3年生担任の成必麗教員。「普段、生活の中では体験できないからいい刺激になる。直接体感することが民族の情緒を育むうえではとても効果がある」と語った。

「少しでもサポートを」

女性同盟大田支部と大田区議会議員が東京第6初級に「海女のリャンさん」上映会で得た収益金を寄贈した

 今回の公演実現のために、女性同盟大田支部と大田区議会議員らが共催で行った「海女のリャンさん」上映会での収益金を学校に寄贈した。公演費の捻出に困っていると聞き、今回の寄贈となった。

 女性同盟大田支部と大田区議会議員らは、過去に料理教室、チマ・チョゴリなど衣服に関する文化についての交流を深めてきた。

 公明党の古山昌子議員は、「自分の国の伝統文化をきっちり伝えていくことはとても大切。少しでもサポートできないかと思ってやったこと」と生徒らに優しくほほ笑んだ。

 女性同盟の李琴順副委員長は、「学校の実情を説明するとすぐに賛同してくれた。今後、朝・日婦人の会の発足を念頭に置いて活動を進めていきたい」と地域の朝・日交流活性化に意欲を見せた。

 「生徒たちに民族心を育んであげるいい機会になった」と金校長。今年の金剛山歌劇団の東京公演に生徒らを連れて見にいけなかった事情から、今公演は何が何でも実現させたかったという。「たくさんの生徒らが興味をもってくれた。来年は必ず本公演を見にいきたい」。(金明c記者)

[朝鮮新報 2005.11.27]