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東京第2初級に民族衣装など支援 支援の輪、広範囲に

「とりあげないでわたしの学校」ビデオと歌舞の集い

 東京都が東京第2初級に対し、校地として使用している都有地の明け渡しなどを求めた「枝川裁判」が現在係争中だ。公判を重ねるごとに、都の訴えの不当性が明らかにされており、それを裏付ける証拠も現れている。一方、朝鮮学校と生徒たちを守ろうと、支援の輪が日本市民や南朝鮮の同胞にまで広がっている。そんな中、「とりあげないでわたしの学校 9.17ビデオと歌舞のつどい」(主催=枝川裁判支援連絡会、枝川朝鮮学校支援都民基金)が17日、東京朝鮮第2初級学校(東京都江東区)で行われ、同胞、学父母たちと日本の市民らが参加した。

この地で学校守る

新しく購入した民族衣装を着て登場する生徒たちに拍手を送る支援者たち

 つどいでは、同校が寄贈金で購入した民族衣装が披露され、「枝川裁判」の記録と支援活動をまとめたビデオ「第2(チェーイー)をささえよう」(制作=Our Planet TV)が上映された。南朝鮮の歌手らが制作した音楽ビデオも紹介された。

 同校に寄贈された金は、3月に行われた「とりあげないでわたしの学校 枝川朝鮮学校支援3.27トーク&コンサート」での収益金。今回、お披露目として同校の生徒たちが新しい民族衣装を着て、朝鮮の歌と踊り、サムルノリを披露した。

 参加者たちは、元気に公演を披露する生徒たちの姿に顔をほころばせた。「きれい」「かわいい」といった歓声に混じって「がんばれ」といったエールを送る人も多かった。

 宋賢進校長は、参加者をはじめ支援者たちに感謝を伝え、「今後もこの地で学校を守り、民族教育を発展させていきたい。同胞、日本の市民らと力を合わせ、裁判をたたかっていきたい」と力強く語った。

民族教育権、初めて法廷で

笑顔で歌を歌う生徒たち

 同校を支援する輪は着実に広がっている。日本や南朝鮮のメディアでも数多く取り上げられ、市民らの間で関心が高まっている。裁判が始まって以来、同校への訪問者は900人を超えた。

 5月には、一橋大学の田中宏名誉教授ら多くの日本人、同胞の有識者たちの呼びかけで、「都民基金」が設立された。学校と裁判の支援に充てられ、スクールバス購入の計画もある。

 さらに今回、「都民基金」に集まった募金で同校一階の一部の壁が工事され、取り外し可能な壁が設置された。それにより教室3部屋分の講堂を確保できるようになった。壁に描かれている絵は、生徒たちが描いた。

 連帯のあいさつをした民族教育ネットワークの稲富進さんは「日本人にとっても放置できない問題。絶対に解決しなければならない」と述べた。

 つどいでは、弁護団の一員の金舜植弁護士が裁判の経過と現状について報告した。金弁護士は、今回の裁判では戦後補償の問題と外国人が教育を受ける権利が問われていると指摘した。

 第8回公判を終えた「枝川裁判」は、民族教育の権利が初めて法廷で問われる裁判として、今後の判決に注目が集まっている。(李泰鎬記者)

[朝鮮新報 2005.9.27]