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平壌でも肩身狭い喫煙者

 平壌でも喫煙者たちは肩身が狭くなってきた。

 ここ1〜2年の間に、平壌ホテルのレストランのテーブルから灰皿が消えた。喫煙者はタバコを吸うたびに接待員を呼ばなければならない。灰皿を頼むと、女性接待員たちはしぶしぶ持ってくる。彼女たちに、恋人はタバコを吸うのかと聞いたところ、言葉を濁すが、喫煙者とは一緒に暮らしたくないと口をそろえた。

 3年前、平壌タバコ工場の支配人は、喫煙者人口を700万人と見ていた。朝鮮の人口が2千万人で女性喫煙者がゼロに近いことを考えれば、この数字は成人男性のほとんどが喫煙者であることを表している。喫煙者が大きな顔をしながら、所かまわず煙を吐いていたのも納得だ。

 しかし最近、空港や体育館など、全面禁煙にする公共施設が増えている。

 朝鮮で禁煙キャンペーンが始まったのは5年前から。新聞、テレビは、タバコが人体に及ぼす害について、機会あるごとに解説、宣伝してきた。世界禁煙デーには一大キャンペーンが行われている。

 禁煙に成功するという「禁煙栄養玉」も開発された。タバコの箱には「タバコを吸う行為には自己責任が伴います」と書かれるなど、喫煙者に対する啓蒙活動も活発だ。

 こうしたキャンペーンが功を奏したのか、禁煙者が増え続けているという。平壌支局スタッフの1人も2週間前からタバコと縁を切った。彼はおおいばりだ。

 一昔前までは平壌でタバコを吸わないことなど考えられなかった。日本でいったん禁煙に成功した先輩記者が、平壌の雰囲気にのまれ喫煙者に逆戻りするケースもあった。

 しかし今、禁煙成功でおおいばりの支局スタッフを見ながら、自分もやめなければ、いや、やめられる、という気分になってきた。ちなみにこの記事、レモン味の禁煙パイポだけで書けた。(姜)

[朝鮮新報 2005.8.17]