〈留学同結成60周年記念マダンアニバーサリー〉 参加者の「声」 「世界観を変えてくれた」 |
「在日」、「民族」とは 4〜6日にかけ、富山県氷見市で行われた留学同結成60周年記念「マダン−アニバーサリー」で、「これからどう生きていくのか」を真剣に考えた同胞大学生たち。生徒らにとっての「在日」「民族」、そして「留学同」とは。今年のマダン参加者の「声」をまとめた。(李東浩記者) −徐麻弥さん(21、留学同中四国) ダブルである私に、留学同は自分自身が何者なのかを常に問いかけてくれる。在日朝鮮人でもあり日本人でもある自分を消化できたきっかけは、昨年の祖国訪問だった。「民族とは何か」という講演を聞いて、国際結婚で生まれた自分の立場についていろいろ悩んだが、留学同の活動家との話し合いの中でしがらみは解け、今では本当に留学同ありきの生活を送っている。 −金有伊さん(19、留学同東海) 物心ついたときから朝鮮人というのは知っていたが、あえて意識はしてこなかった。討論で民族意識について話しあって自分の無知さに気づいた。自分の知らない歴史を知り、在日のことを知る。まずはいろんなことを知ることから始めたい。また、日本の人に在日のことを知ってもらうことは、大事だと思う。マダンに初めて参加していろいろなことを考える機会になった。来年はもっと勉強して、知識をもって参加したい。そうしたら、今回はあまり発言できなかった討論でもっと議論できると思う。 −李幸子さん(21、留学同京都) 在日としての自分を隠し続けてきたが、留学同との出会いにより、外にアピールしていくという価値観を持つようになった。家族、親せき以外の在日と留学同を通じて出会い多々ある問題に直面し、驚いた。無知は罪というが、在日の問題を知ったからには、できることを行動に移していくつもりだ。留学同での4年間を通して得たものは、「外に向けて何かやらないと変わらない」ということ。また、胸をはって、「在日として」堂々と生きていこうと思った。私にとって留学同は人生の転機であり、世界観を変えてくれた。大学の卒業式にはチマ・チョゴリで出たい。 −尹太晨さん(23、留学同東海) 留学同の活動に参加するようになって、自分の意見がはっきりと言えるようになった。留学同での活動は自分にとってかけがえのない経験になった。在日朝鮮人社会は朝鮮、日本の文化の良い部分を持っている。また朝鮮、日本の文化にない良い部分もある。今の在日はメディアのせいか、組織、団体に所属するのをためらう傾向にある。彼らに留学同などの団体をアピールしていくことこそが自分の役目だと思っている。留学同の4年間を通じて得たものは、なによりも人とのコミュニケーション力。思っていることを素直に、ストレートに伝えられるようになった。これは同じ悩み、考え方を言い合える友だちが留学同にいたから。今回、4年間で一番印象深いマダンだった。 −黄麗加さん(19、留学同兵庫) ずっと日本の学校に通っていた。班別討論を通じてそれまで祖国といえば南朝鮮だったのが、南と北でひとつの祖国だと思うようになった。祖国統一についての議論では、班長の「マイナスをゼロに戻すことこそ統一だ」という言葉に共感した。つまりたくさんの失われたものを取り戻し、ゼロに戻すということ。とても印象的だった。 −劉由子さん(21、留学同大阪) 今回のマダンは自分にとって初の全国開催。学術フォーラムなどに比べ、内容が広範囲で不安もあった。今回、1年生の女子が多数参加したこともあり、いつもの留学同の集まりに比べ華やかで、良い雰囲気だった。また今回、このように全国的規模での場(マダン)をもてたことに意義を感じる。留学同のメンバーとして「うちらがせな誰がすんねん」という自負のもと、がんばっていかなければならない。さらに力をつけて、あらゆる困難に立ち向かっていきたい。 [朝鮮新報 2005.8.16] |