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長野 歴史認識を考える学習会 「思いやる気持ちを」

 歴史認識を考える学習会(主催=日朝長野県民会議、日朝松本市民会議)が7月16日、長野朝鮮初中級学校(松本市)で行われ、約100人の同胞と日本市民らが参加した。

 学習会では、平山芳夫県民会議事務局長のあいさつに続き、杉本文男市民会議会長と飯田敬次県民会議代表委員らが主催者あいさつを、李光相 総連長野県本部委員長が連帯あいさつを行った。

 つづいて、君島和彦東京学芸大学教授が、「教科書問題を通して歴史認識を考える」と題して講演。教科書問題が教育の問題、ひいては政治問題にまでなっていると述べながら、朝鮮に対する記述など「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書の問題点を指摘した。

学集会には同胞と日本市民ら約100人が参加した

 また靖国神社問題について、中国の反発は中国の国内問題ではなく、「平和を祈るための靖国は成立しない」と非難した。

 一方、朝鮮に対するわい曲報道に躍起となっているテレビ報道に触れながら、テレビ朝日に代表されるように、右傾化が顕著になりつつあると警鐘を鳴らした。

 最後に、「自国史」の相対化は容易ではないものの、南朝鮮と日本の歴史共同研究委員会の活動などについて言及しながら、現状はあまり明るくはないが、相手を思いやる気持ちが何よりも大切だと強調した。

 学習会終了後、参加者らは焼肉を食べながら懇談した。

総連など3団体が教科書問題でアピール

 総連長野県本部、民団長野県本部、松代大本営朝鮮人犠牲者追悼碑を守る会(守る会)の3団体は6月29日、松本市の県松本合同庁舎内で記者会見し、「新しい歴史教科書をつくる会」(つくる会)教科書の不採択を求めるアピールを発表した。 総連から李光相委員長、民団から呉公太団長、守る会から塩入隆会長らが参加した。

 アピールは、「つくる会」の教科書が95年の村山談話に反するばかりか、82年の「近隣諸国条項」を無視した国際的信義にもとるものだと非難。この歴史教科書が県下のどの市町村においても決して採択されないよう県民への協力を訴えた。

 李光相委員長は、「この教科書には、日本が朝鮮の外交権を奪い事実上植民地化した1905年の『乙巳保護条約』に関する記述がまったくない。過ちを繰り返さないためには、具体的な歴史の記述が必要だ」と強調した。

 3団体は、教科書採択権のある県内全市町村の教育委員会にアピール文を郵送する。【長野支局】

[朝鮮新報 2005.8.3]