「ウリ」守るための熱い論議 |
本紙でも紹介してきたが、近頃朝大生の活躍がいっそう目立ってきている。 今年、政治経済学部法律学科1期生の皇甫泰伸さんが同学科としては初めて、司法書士試験に合格。最近では、同学科4年の金成吉さん、朝青東京・練馬支部で専従を務める李昌奎さんが行政書士試験に合格した。そのほか、法科大学院などにも次々合格し、同胞に希望を与え、後輩たちの励みになっている。そういった学生たちも含めて、学業に励み、さまざまな研究活動に携わる朝大生たちを何人か取材してきた。 「多様化する法的紛争に対応できる資質と能力を備え…地元長野の同胞の暮らしや学校問題などに携わっていきたい」(朴泰憲さん、法律学科出身、中央大学法科大学院合格)、「『慰安婦』問題、遺骨問題など社会的意義のある活動を行い…在日同胞社会の平和と祖国の発展のためにもっと勉強していきたい」(梁泰準さん、法律学科4年)、「4、5世の子どもたちに希望に満ちた未来をもたらせるよう、同胞経営事業などに尽力することで、ウリハッキョの財政を助けたい」(姜太鉉さん、経営学部4年)、「専門分野以外のことも学べるのが朝大の利点。何よりも、日本に住む朝鮮人としての自覚をさらに強固なものにすることができる」(宋敬錫さん、理工学部、4年) 彼らの言葉に一貫しているのは、「民族性を守り、同胞社会と民族教育のために尽くす」ことだ。 日本で不景気が続き、複雑な情勢の中で育った彼らだが、同胞社会に押し寄せる荒波にのまれないよう、自己のルーツをしっかり見つめ、試行錯誤しながらも自分なりの見解、情勢観、民族観を確立させている。 民族性が薄れがちな今、「ウリ」の精神を受け継ぎ守ろうと熱い論議を繰り広げる彼らの姿に救われる思いがした。また、新しい世代同士、ともにがんばっていかねばと、気を引き締めた。(良) [朝鮮新報 2005.3.9] |