〈同胞法律・生活センターL〉 住まい2C |
自身の状況把握必要 住むということは、人が生きるということと直接結びつく大変重要な要素となります。ある意味では、住まいが人の価値やステイタスを表すものであるということも否めない事実として存在します。私たち在日コリアンが、今現在もすまい探しにおいて少なからず困難を感じているということは、私たちの置かれている位置や社会的価値を表しているということにもなります。 解放60年を迎えるにあたって、私たちが本当に解放されたのかどうかをもう一度ふり返って見る必要もあるかとは思いますが、このような環境の中で住まいを探すに当たって、私たち自身も少し知恵を付けておく必要があります。 必ずしも民間の賃貸住宅を探すだけが最良の方法ではないということです。住まいの問題を生活の一部と考え、生活そのものを維持してゆくために行政の制度を利用することも視野に入れておく必要があるのではないかと思います。 住まいを探す時はまず、自身の状況をしっかり把握しておく必要があります。 経済状況、仕事、家族構成、保証人の有無、そして健康状態などが重要なポイントとなります。 不景気によるリストラや事業の失敗などで家庭を支えてゆくことが困難になってしまったという話は、同胞社会でも最近よく耳にします。 また、経済状況の悪化に加え、少子化に反比例するような形で高齢者との同居を余儀なくされるケースも少なくありません。 個人的には、最近、DV被害者からの家探しについての相談を多く受けるようになりました。 家やアパートが見つかったにも関わらず保証人がいないなどということもありえます。 一人で解決しにくい このような状況の時には、一人の力では解決しにくい問題も多々あります。 そういう時には、まず私たちが行政のどのような制度を利用できるかを確認する必要があります。日本の福祉制度はすべて申請という手続きを踏まなければなりません。 困難な状況にいる人たちをどのような制度の利用へと導くのか、という考えの下で行われているわけではないだけに、黙っていると何の保護も保証も受けられなくなってしまいます。 今現在住んでいる家が狭く、経済状態が著しく低下し生活に困難を来している場合、公営住宅の申し込みをしてみることもひとつの方法です。また、このような場合、生活保護の対象者になることもあります。 住宅がないために親族(婚約者も含む)と同居できない場合、あるいは現在住んでいる住宅の家主から正当な理由により立ち退き要求を受けている場合なども公営住宅入居資格者となります。そして高齢者2人世帯であったり、家族が多い場合にも対象になります。 公営住宅入居に当たっては、ひとり親家庭、多子家庭、障害者、地元住民などが優遇される制度もあります。 これらの制度は、各自治体や市町村によって異なりますので、必ず担当窓口に直接問い合わせて具体的に確認してみてください。入居申し込みの時期もそれぞれ異なります。 DV被害者の場合、家探しをするにあたって経済的な条件が良くないケースや仕事を持たない場合がほとんどだと言えますが、同胞法律・生活センターや自治体の福祉担当窓口で生活保護の受給を含め新たな生活を築くための相談をしてみてください。 民間住宅を借りる際に保証人がいない場合も、行政で保証人制度を実施しているか調べてみた方がよいでしょう。保証会社を使うという手段もあるかと思います。 ある程度の経済状況が整っているのであれば公団住宅への入居も考えられます。 家は、人々の生活の拠点です。より良い環境を確保し、自信を持って生きてゆくために努力してゆくことも大切ですが、身近な制度を周知し、利用する事も大切なポイントと言えるでしょう。 ◆サポーター募集中! 同胞法律・生活センターでは住まいサポート活動を多くの有志の方々の協力を得ながら展開していきたいと思います。◆コリアンの住まい探しに協力してくださる不動産業者、家主の方々、ぜひご連絡ください。◆日本語をネイティブとしない方のための通訳サポーターも募集します。当センターの通訳サポーターとして登録させていただいたうえで、ボランティアとして活動していただきます。(「安、「住まいサポート」チーフ)(NPO法人同胞法律・生活センター、事務局) TEL 03・5818・5424、FAX 03・5818・5429 [朝鮮新報 2005.3.1] |