女性同盟大阪・中西支部 子育てサークル「チャンミコッ」開催 |
現在、同胞社会でも核家族化が進む中で、子育てについての悩みはつきない。女性同盟大阪・中西支部の子育てサークル「チャンミコッ(ばら)」では、子育て応援のためのセミナーを企画した。1月15日に生野朝鮮初級学校・幼稚班(大阪市生野区)で開かれた「親子になるってなに?」がそれ。同幼稚班の協力を得て、オモニ会との共催で約半年間準備を進めての開催である。 「衝突はワクチン」
当日は女性同盟中西支部のオモニ、朝青員らが買って出て、0歳から小学3年生までの約60人の児童を預かった。 こうした協力体制のもと、開かれたセミナーには、オランダ政府教育機構ピラミッドメリソッド日本センター・辻井子ども総合研究所の辻井正所長が講師に招かれた。 辻井所長が朝鮮学校を訪れるのは初めてのこと。子どもたちが母国語で授業を受けていることに驚きながらも、講演の冒頭では「子育てに大事なのはアイデンティティーを育てることです。幼いころから母国の文化に触れ、母国語で生活を送りアイデンティティーを育てる。こちらの幼稚園ではとてもいいことをされています」と述べた。 さらに、最近の子はすぐにキレると言うが、保育園や幼稚園では、叩いたり噛みついたりする子どもが年々増えていると指摘。 「核家族で育つ子どもたちはお母さんと2人っきりの温かい環境で育ち、嫌なことを経験しないまま保育園、幼稚園に入ってくる。おもちゃの取り合い、意見の不一致などを通じて子どもたちは譲り合い、分かち合う心を育てられる。しかし、お母さん方は愛情だと勘違いして、子どもの思い通りにさせているようだ。人間関係の衝突はワクチンのようなもの。ワクチンを一切接種せずに世間に送り出し、果ては不登校、引きこもりへと進む。親子の間や家庭、集団の中でたくさんのワクチンを打ってあげてほしい」と話していた。 悩みの質問も
場内から子育ての悩みに関するさまざまな質問も飛び出した。 「子どもの集中力低下はやはりテレビやゲームのせいでしょうか?」という質問に辻井所長は、「犯人作りはマスコミの影響。犯人を作って自分のせいにしたくない」と説明。「現状においてテレビを見たりゲームをするのは当然のこと。むしろそのお子さんに友だちから電話の1本もかかってこなかったり、外出しようとしないことの方を注意した方がいい。友だちがいるのであれば問題はない」と述べた。 参加者らは、「いま自分が突き当たっている悩みだったので、胸に突き刺さる思いだった」「子どもに接するのに、子の人格を尊重してあげることが大事だと言うこととほめて育てること。頭ではわかっていても毎日の繰り返しは大変。しかし、それこそが大事だと痛感した」などと感想を述べていた。 同支部では、昨年の12月23日にも子育てサークルの一環としてクリスマスパーティーを行った。総聯支部委員長ふんするサンタの登場に子どもたちは大喜びだった。【女性同盟中西支部】 [朝鮮新報 2005.2.26] |