朝鮮人強制連行真相調査団 05年全国協議会(東日本)開催 遺骨問題解決など提起 |
朝鮮人強制連行真相調査団の2005年全国協議会(東日本)「戦後60年 犠牲者を遺族の元に」が5日、東京朝鮮中高級学校で行われた(西日本は1月29日)。各地調査団の代表、研究者、学生らが参加し、各地の調査報告を行い、今年度の活動について話し合った。 「遺骨には人権」と東京調査団
はじめに、調査団朝鮮人側団長の高徳羽・総聯中央副議長兼同胞生活局長があいさつした。高団長は、遺骨を収集し、遺族の元へ返還することが重要だとしながら、真の朝・日友好親善のためにも過去の清算が必要と指摘。「活動を全国に広げ、大きな輪になるようにしよう」と述べた。 つづいて、犠牲者と遺骨問題に対する調査、追悼、シンポジウムを行った経験について総合報告が行われた。 西澤清・東京調査団日本人側共同代表は、祐天寺の遺骨問題と昨年12月に行われたシンポジウムの経緯と意義について説明。日本政府はこれまで、遺骨がなく靖国神社に合祀した事実を隠し、遺骨問題を放置してきたと指摘し、「遺骨には人権がある。遺骨は本人のものであり、遺族のものだ」と訴えた。 また、石田貞・埼玉調査団日本人側団長が山口観音・金乗院(埼玉県所沢市)に131柱の朝鮮人強制連行犠牲者の遺骨が保管されていることを確認したと報告。保管の経緯と追悼会開催(19日)について述べた。 1世証言収集懸賞募集も
協議会では、洪祥進・調査団中央本部朝鮮人側事務局長が2005年の活動案について提案した。 主な活動内容として▼遺骨問題の解決への取り組みと国会や地方自治体への調査要請▼「在日朝鮮人史100年」を迎える活動▼その他、国際連帯協議会の開催など−を挙げ、その後取り組みについて話し合われた。 在日朝鮮人1世に対する証言収集を、20代前後の青年向けの懸賞募集として行うこと、国際連帯協議会東京大会(5月予定)に北側の被害者、遺族を招待することなども提案された。 また、国平寺(東京都東村山市)の尹碧巖住職が、55年にもおよぶ日本での孤独な入院生活のすえ、2000年に亡くなった朝鮮人強制連行犠牲者の遺骨を南の遺族に返還するまでの経緯などについて説明した。 さらに、朝青中央の宋忠鉐副委員長が、2003年に行われた「朝・日青年フレンドリーウォーク」で日本青年らとともに各地の強制連行跡地を巡った経験について述べた。 協議会では、栃木、神奈川、静岡、群馬などの調査団、関連団体の各代表らも遺骨問題に関する調査報告と提案を行った。 協議会後、懇親会が行われ、参加者全員が感想などを述べた。 「若い世代にこそできることも多い。どんどん使ってほしい」「歴史の真実を伝えていかなければならない」。朝鮮大学校の学生や、朝青、留学同などからの若い参加者たちの発言が注目を集めた。(李泰鎬記者) 朝鮮人徴用工犠牲者の遺骨 埼玉・金乗院に131柱 19日に追悼会 [朝鮮新報 2005.2.10] |