「6.15統一世代」 |
20歳を迎えた同胞青年たちを祝うイベントが各地で行われているが、今年は大阪、兵庫、岡山でのイベントを取材した。色とりどりのチマ・チョゴリ、新調のスーツ、パヂ・チョゴリに身を包み、同級生らとの久しぶりの再会に花を咲かす。おなじみの光景だ。 そんな事に気を取られる間もなく、取材にひたすら時間を費やした。いま若者たちが同胞社会をどう見て、何を考え生きているのかを中心に話を聞いた。 中大阪朝鮮初中級学校を卒業後、日本の高校を経て、日本の大学で学ぶ双子の金裕星(東大)、金裕太さん(阪大)。「久しぶりに会って原点に戻れた。コリアンとしての視点をしっかり持ち続けたい」。 女子サッカーチーム「岡山湯郷Belle」でアシスタントコーチを務める姜世Rさんは、「今は本当に楽しい」。オモニの権慶子さん(50)は、「『在日』だからといってなんのそん色もない。チームがかわいがってくれているみたい。当初は不安もあったけど日本の社会に入れてよかった」。 朝鮮大学校や専門学校生はもちろん、中にはディズニーランドのダンサーとして働く子もいた。一方で、南朝鮮の大学に通う女子学生が舞台上で流暢な朝鮮語で話してみせると、ヨン様ブームにあやかってか、「テレビ見てるみたい」などと歓声をあげるオモニたちの姿も印象的だった。 出会った青年らの言葉に共通するのは、「在日」としての自分を日本社会の中でどう見出していくのかという事。いち「コリアン」として物事を考え、堂々と羽ばたこうとする意気込みを感じた。 イベントのあいさつなどでよく出てきた「6.15統一世代」。彼らにはそんな言葉がよく似合う。(c) [朝鮮新報 2005.1.25] |