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育て、育ちあうこと

 あれは20年余り前。職場の先輩たちは私にこういった。「あんたは原石や。磨けば磨くほど光るダイヤモンドかも知れん。もしかしてただの石ころかも知れん。とりあえずこればっかりは磨いてみなわからん。ウリも磨くの手伝うからあんたも自分を磨きや」。先輩達は有言実行で陰になり日向になり私を助けてくれた。

 私がダイヤモンドの原石であるはずもないが、新米の私にとってどれほどの励みになったことか。今の私があるのは人を育てようとしてくれた先輩や職場があったからかも知れない。遠くへ嫁ぎ会う機会はないけど、今もその先輩方には感謝している。

 先日、開催されたオモニ会会長、役員会議。地域は違っても同じ時期にハッキョのオモニ会で活動している者同士、言わずともわかる話せばもっと近づけそうな親しみや連帯感を終始感じた。高級部のあるオモニ会会長が語った。学区の初中級部オモニ会と連携しながら、可能な限り情報を共有し助け合う。寄宿舎があり通学生と寄宿生が共に学ぶ中、子を手元に置けないオモニの気持ちと、親元を遠く離れてがんばっている寄宿生を思う。オンマの手作り料理は作ってあげられないけど、せめて休日の朝練用にアジメのおにぎりは持たせてあげられる。子どもたちに等しくスポットライトをあて、はつらつと学校生活を送れるよう見守るのがこのオモニ会のもう一つの役割だと。久しぶりに先輩を思い出した。人が人を育てまた育ちあうそんなトンポコミュニティーがここにもある。それがどこであれ私もそんなマインドを大事に育て持ち続けたい。(厳廣子、オモニ会会長)

[朝鮮新報 2004.12.6]