娘への手紙 |
娘が初めての修学旅行に行ってきた。出発を数日後に控えて、担任の先生から保護者へ、ある提案をいただいた。 「子どもに宛てて、手紙を書いてほしいのです」 旅行先で子どもたちに手渡すと言う。普段なかなか口に出せないことを、手紙を通して伝えてくれたらと。子どもに何か書いて伝えると言ったら、留守にする時の伝言メモくらいなもの。先生の提案のおかげで、初めて子どもに便箋で、100パーセント朝鮮語で、手紙を書いた。ちょっと恥ずかしいけど、こんな内容で…。 「…あなたが生まれた日は秋のよく晴れた日でした。午後2時21分、元気な産声を上げてあなたが生まれました。まんまる顔にか細い手足、マッチ棒みたいな指…。抱っこしても力を入れすぎると折れてしまいそうで、オンマはあなたという大事な命をちゃんと守り育ててあげられるのか、正直とても不安でした。その夜、窓の外は満月で、弱虫なオンマにがんばれ、って励ましてくれているようでした。…オンマはいつも、あなたが自分の分身のような気がします。血液型は違うけど、なんかよく似てるよね。あなたがオンマと同じような人生を歩むとしたら… フフフ、きっとすごく楽しいよ。苦しいことも、泣きたいこともいっぱいあるだろうけど、いつも正直に、周りのみんなに感謝しながら生きていれば、ぜったい幸せになれるはず。今、オンマはすっごく幸せです。…」 書いていて、どんどん幸せな気持ちになってきた。照れくさかったけど、こんな機会をくれた担任の先生に、感謝、感謝、である。(李友子、会社員) [朝鮮新報 2004.11.29] |