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「雨の愛校祭」

 少し前、子どもたちの通うウリハッキョで、数年ぶりに「愛校祭」があった。

 当日は朝から、こんなのアリ? と言うほどのどしゃぶりだった。

 3つの学校が統合して初めての愛校祭なのに…同胞たちは集まるだろうか? ご近所さんたちも「必ず行くから」と言ってはくれたけど、この天気だとどうだろう…たくましく学ぶウリハッキョの子どもたちの姿を見てほしかったのに…ほかのオモニ委員たちと売店で販売するキムパプ(のり巻き)を巻きながら、そんな思いがぐるぐると頭の中を巡っていた。

 スピーカーから音楽が聞こえてきた。舞台でのイベントが始まったようだった。思わず階上の体育館へ駆け上がった。体育館へ入った瞬間、胸の中の熱い風船がパンパンに膨れてのどが詰まった。満員の体育館、両端に所狭しと並べられた売店には日本の友人がボランティアで出店してくれたものもある。舞台の上には誇らしげに歌う全校生の姿、力強い歌声。涙があふれて腰に下げたタオルでおもわず顔を覆った。ウリハッキョへ注がれるたくさんの人々の思いは、雨でしぼんでしまうようなものではなかった。

 その日、洪昌守選手夫妻と千里馬啓徳さんも駆けつけて子どもたちと同胞を元気づけてくれ、ロビー、通路、階下のホール至るところに同胞と学生があふれにぎわった。約束どおり来てくれたご近所さんたちとも笑顔であいさつ。本当に楽しかった。

 雨のせいで体育館の中に押し込まれた「愛校祭」だったけど、ウリハッキョに対する愛情がぎゅーっと凝縮された、まさにテーマパークのようだった。(李友子、会社員)

[朝鮮新報 2004.7.12]