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男尊女卑は「罪」

 「オモニパワー」といえば、だいたいが学校のイベントや裏方的なイメージを抱いてしまう。「オモニ」という女性は出産というすばらしい経験を経て「誕生」するわけだが、子育てだけにそのパワーが生かされるということに常々もったいないと思っている。

 バブルが崩壊し、真っ先にリストラの候補となった女性。なかでも結婚が決まった、妊娠したとなれば本人の意思とは関係なく無条件に実施された(少なくとも私の場合そうであった)。

 「実力」というものは、本人の努力、経験によるものも大きいが、周りの諸先輩方の指導と鞭撻によってより「実力」がつき育っていくのではないだろうか。  

 実力のある人材はその「基」となる「親=先輩」や「土壌」がなければ一人で勝手には育たない。

 「追放」された女性たちはオモニとなって、さらに実力をつけるが、それが十分に生かされる場が一部分でのみクローズアップされるのに少々抵抗を感じる。

 今、同胞社会でオモニたちが活躍できる場は学校の行事や各家庭、女性同盟、それ以外の分野でどんな所があるだろうか。例えば、学校の先生にオモニ教員はどれだけいるか、「アボジ教員」と比例してどれだけのオモニ教員がいま現役で教鞭をとっている? 

 子育てはアッパ・オンマが二人三脚でするものということに異論のある人はそういないが、学校も子どもを育てる場ではないか。

 同胞組織も代を継ぎ、よりよい同胞社会を築くためには、人材育成は不可欠。未だに封建的な男尊女卑の殻を破れないでいるのは「罪」だ。(鄭成玉、会社員)

[朝鮮新報 2004.6.25]