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里帰り

 昨年末、会社の日本人の同僚と正月に里帰りをするかという話をした時、ほとんどの人がしないとのことだった。その理由は、お金が掛かる、夫の仕事の都合、家族との折り合いがよくないなどだった。

 確かにお金は掛かるしそれぞれ家庭の事情はあるだろう。しかしそういうものだろうか。私は、生きている間に親孝行をしなくていつすると思うのだ。親と遠くはなれて暮らす私たち夫婦にとって正月の里帰りは何よりも大切な親孝行である。

 東京に住む私たち一家は今年も関西にある夫の実家と四国にある私の実家に里帰りをしてきた。私の実家へは経費節約のため姉家族と一台の車に同乗し小旅行としゃれてみた。

 姑と実父は同い年で年女、年男である。2人とも70を過ぎているがどう見ても60代にしか見えないほど肌もつやつやしている。実母も若くチャレンジ精神が旺盛で最近はメールにはまっている。里帰りで一番うれしいことは親の変わらない元気な姿を見ることだ。

 また、久しぶりに兄弟、姉妹が顔を合わせ、楽しいひと時を過ごすことができた。

 子どもは親の顔を見て、親は子どもと孫の顔を見る。子どもたちそれぞれが広げ育てている家族の輪の成長を確認する。それが里帰りの意味なのかもしれない。

 こんな当たり前のことがいつまでもできればいいとつくづく思った。

 そのためには親が元気で長生きできるよう、兄弟姉妹がいつまでも仲良くしなくては。今年も姉の家に夕飯をよばれるとしよう。(鄭成玉、会社員)

[朝鮮新報 2004.1.19]